政府の金融支援から企業同士の取引まで、温暖化ガス排出の多寡が問われ始めた。急速なシフトの背景には、2050年の脱炭素に向けた先進各国の動きがある。パリ協定では産業革命前と比べた気温上昇を2度未満に抑える予定だったが、不十分との認識が拡大。努力目標だった1.5度以下を必達にすると、5月の主要7カ国(G7)気候・環境相会合でも合意した。これから対応していくビジネスについて、国はどう後押ししていくのか。小泉進次郎環境大臣に聞いた。

<span class="fontBold">小泉進次郎[こいずみ・しんじろう]氏</span><br> 1981年生まれ。関東学院大学卒業後、米コロンビア大学で政治学修士号を取得。米戦略国際問題研究所(CSIS)研究員を経て、自民党が野党時代の2009年に衆院議員初当選。17年までに4回当選。党農林部会長や厚生労働部会長を経て19年9月から現職。気候変動担当大臣、内閣府特命担当大臣(原子力防災)も兼務する(写真=花井智子)
小泉進次郎[こいずみ・しんじろう]氏
1981年生まれ。関東学院大学卒業後、米コロンビア大学で政治学修士号を取得。米戦略国際問題研究所(CSIS)研究員を経て、自民党が野党時代の2009年に衆院議員初当選。17年までに4回当選。党農林部会長や厚生労働部会長を経て19年9月から現職。気候変動担当大臣、内閣府特命担当大臣(原子力防災)も兼務する(写真=花井智子)

2030年度に13年度比で温暖化ガスを46%減らすという日本の目標、どんな意図で設定されたのですか。

小泉進次郎氏:日本の雇用と産業を守るためには、意欲的な目標を定める必要があった。かつての京都議定書と比べてパリ協定では全ての国が削減義務を負う一方、より大きな違いはビジネス環境が変わったということだ。

 温暖化ガス削減に向かうほど、国際的なマネーが集まりやすくなっている。日本はグローバル経済の中で生きている国なので、国内市場だけでは今後の長期的な繁栄を築けない。世界がいかなる形の経済に移行していくかを早く捉えるべきだ。高い技術を持っている中小企業さえも、まず再生可能エネルギーで工場を動かしていますかと取引先から問われる時代になる。

 環境対応を産業の成長戦略として考えないと、取り返しのつかないことになる。50年までの脱炭素目標と整合的な道のりとして、菅首相のリーダーシップによって30年度の46%減、そして50%減という高みも目指す方向になった。

 企業ではホンダが40年までに新車を電気自動車と燃料電池車に切り替える予定で、パナソニックは30年に事業活動に伴って排出する温暖化ガスをゼロにすると公表した。政府目標を上回る民間の取り組みが次々に出ている。国は最大限の政策を打ち出して後押しする必要もあり、脱炭素型のビジネスを確立して多くの利益と雇用確保を目指したい。

なぜ小刻みの46%という数値なのでしょうか。

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