「余った再エネ電力も、余剰な土地もムダにしない」。太陽光発電の弱点を克服しようと、京セラが挑んでいる。

京セラは野洲市所有の土地で発電し、2km先の工場に送電する

 事前の計画を超えた発電は送電設備に負荷がかかるため、再エネ普及の妨げになってきた。ソーラーパネルを置ける適地が少ないとの指摘も増えてきた。京セラはこの解決に向け、遠くの空き地もフル活用しながら蓄電池で出力調整する「自己託送」モデルを確立する。この実証実験を1年前から始めており、近い将来にサービスとして売り出す計画だ。

再エネでは珍しい「自己託送」

 自己託送は、ある企業が遠隔地で自家発電し、既存の送電網に乗せて自社のオフィスや工場に届ける仕組みをいう。もともと新規参入した電力会社が大手電力の送電網を使うとき、そのインフラに託して電気を送ることを「託送」と呼んでいる。他者に売電するのでなく、事業会社が自社向けに使うから「自己託送」と呼ぶことになった。2014年に国が制度化したが、再エネで使う例はまだ珍しい。

 同社の滋賀野洲工場(滋賀県野洲市)では、約2km離れた広さ2000m2の土地に出力150キロワットの太陽光発電設備を設けている。関西電力に託送料金を払って送電網に接続し、この工場へと送電する。発電設備の近くには大規模なリチウムイオン電池も設置してあり、昼の発電ピーク時に一部の電力をためておく。夕方、発電量が減るときに出力を底上げする調整電源として使う。

大規模なリチウムイオン電池で、再エネの出力変動に対応する

 エネルギー事業を担当する浜野太洋執行役員は、自己託送には2つの狙いがあると説明する。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1603文字 / 全文2244文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

オリジナル動画が見放題、ウェビナー参加し放題

日経ビジネス最新号、9年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「企業が挑む、エネルギー維新」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。