11月30日、政府は新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染例が日本で初めて見つかったと発表。感染者と同じ航空機に乗った70人全員を「濃厚接触」扱いにした。世界でも続々と感染例が見つかり、各国が水際対策の強化に踏み切っている。

 オミクロン型の登場をきっかけに感染拡大の「第6波」が起きる可能性もちらつく。日本の備えは十分なのか。政府が11月12日に決定した第6波に向けた新型コロナ対策の「全体像」について、後藤茂之厚生労働相に聞いた。オミクロン型については、まずはその解明状況をみながら対応し、ワクチンの3回目接種のスケジュールは当面変えないという。(インタビューは11月中旬に実施。オミクロン型についての問答は11月30日の厚生労働省記者会見より)

<span class="fontBold">後藤茂之(ごとう・しげゆき)厚生労働大臣</span><br />1980年3月東京大学法学部卒業。同4月大蔵省(現・財務省)入省。主税畑を歩み、93年4月主税局企画調整室長。2000年6月に衆院議員初当選。自民党政務調査会厚生労働部会長などを経て12年12月に法務副大臣。党新型コロナウイルス感染症対策本部座長などを務め、21年10月に厚生労働大臣就任。(写真:大下 美紀)
後藤茂之(ごとう・しげゆき)厚生労働大臣
1980年3月東京大学法学部卒業。同4月大蔵省(現・財務省)入省。主税畑を歩み、93年4月主税局企画調整室長。2000年6月に衆院議員初当選。自民党政務調査会厚生労働部会長などを経て12年12月に法務副大臣。党新型コロナウイルス感染症対策本部座長などを務め、21年10月に厚生労働大臣就任。(写真:大下 美紀)

政府は第6波に備えた「取組の全体像」を11月に決めました。コロナ病床を第5波のピーク時の入院数より3割多い3.7万人分とし、ワクチンの3回目接種、治療薬の確保などを実現するとしています。この内容にした狙いは何ですか。

後藤茂之厚生労働大臣(以下、後藤厚労相):病床についていえば、第5波に比べて実質2倍の感染拡大が生じた場合でも対応できるだけの数を確保しようということです。感染が大きく拡大した第5波では最大時に約2.8万人の入院が必要になりました。第6波に向けて、患者が約3割増えても入院できる体制を確保します。

 第5波を振り返ると、(感染拡大のひどい地域では)病床の数自体が足りなかった。また感染者数が急増した結果、患者が陽性だと判明した後に、保健所による健康観察や治療が迅速、確実に実施されないといった状況も一部起きた。ひどい場合には亡くなってしまう方も出るという非常に由々しき事態が発生しました。

 こうしたことは何としても乗り越えなければいけない課題だということで、病床増やワクチンの3回目接種、治療薬確保など幅広い第6波対策となったのです。

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