南アフリカなどで見つかった新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」に世界各国が警戒感を強めている。米ファイザーと独ビオンテック、米モデルナなどの新型コロナワクチンのメーカーはオミクロン型の調査に着手しており、ファイザーとビオンテックは仮にワクチンの調整が必要な場合も「100日以内に出荷できる」とする。

 新型コロナ禍で見えてきたことの一つは、国内のワクチン産業が海外勢に押される姿だ。ワクチン接種が進んだ影響もあって現時点では感染拡大を抑えられている日本だが、新型コロナワクチンの承認と必要数の確保に時間がかかり、接種開始が遅れたことを忘れてはならない。

 コロナの「第6波」やその先のパンデミックにどう備えるべきかを探る本特集「壊れない医療への道」。第5回となる今回は、日本のワクチン産業再興の道を探る。

■掲載予定
(1) 緩む社会、あちこちに「3密」 コロナ感染防止と日常回復のはざま
(2) クラスター散発する北海道の苦悩、神経すり減らす自治体や施設
(3) 飲み薬に国産ワクチン、そろってきた対コロナの矛と盾
(4) 「次のパンデミックへの備えを日本製で」 塩野義製薬・手代木社長
(5) 日本のワクチン産業復興への道、KMバイオと武田薬品に聞く(今回)
(6) 厚生労働相が語る「第6波対策」の根幹

※内容は予告なく変更する場合があります

武田薬品工業は米ノババックスから技術導入した新型コロナ向けの組み換えたんぱく質ワクチンを22年初頭から山口県の光工場で生産する計画
武田薬品工業は米ノババックスから技術導入した新型コロナ向けの組み換えたんぱく質ワクチンを22年初頭から山口県の光工場で生産する計画

 日本が新型コロナワクチンの確保で出遅れた一因に、日本のワクチンメーカーの規模が小さく、研究開発力が不十分だったことがある。

 かつての日本のワクチン産業は、政府が音頭を取る「護送船団方式」で研究開発を行ってきた。ワクチンメーカーは過度な競争にさらされずに日本市場を分け合う半面、グローバル展開が遅れ、十分な研究開発力や競争力を持つには至らなかった。

 今回の新型コロナワクチンの開発競争では、ベンチャーのアンジェスがいち早く名乗りを上げ(結局実用化は2023年以降に先送りとなった)、約2年前にベンチャーの買収を通じてワクチンビジネスに参入した塩野義製薬などが続いた。従来の護送船団方式とは異なる形での研究開発が進みつつある。

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この記事はシリーズ「新型コロナと闘う「医療最前線」」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。