「お酒を提供できないとお客さんも来ない」

 各地の飲食店でも同様の実験が進む。JR横浜駅直結の複合施設「スカイビル」(横浜市)では11月8~14日、飲食店11店舗を対象に「ワクチン・検査パッケージ」の技術実証を行った。参加店舗の一つ、居酒屋「季彩膳 酔心 横浜スカイビル店」の店長、江上直子さんは「うちはお酒が売りなので、提供できないとお客さんも来ない。このパッケージが本格的に始まって、お客さんに安心して来てもらえるようになってほしい」と期待を込める。

 「安心感があった」「次回も購入したい」「当日検査を真冬や真夏に屋外で行うのは避けるべきだ」。内閣官房を中心とするワクチン・検査パッケージの技術実証事務局が11月16日にまとめた中間報告では、利用者からのこうした評価が並んだ。今回の実験はあくまで事務手続きが円滑に進められるかどうかを主眼に置いたものだ。飲食店やテーマパーク、スポーツや音楽関連のイベントなどを対象に年明けまで続けた上で、行動制限緩和のための課題を洗い出していく。

 新型コロナをはじめとするウイルス感染症が流行しやすいとされる冬期に入りつつある。今年は例年以上の寒波が到来する可能性も指摘されている。再び感染が拡大する国もある中で、奇妙なほどの落ち着きを見せる日本。ただし、感染の火種はいまだくすぶっている。次回はいち早く到来した冬の感染対策に神経をすり減らしている北海道の現場をリポートしていく。

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