この記事は日経メディカル Onlineにコラム「岸見一郎の『患者と共に歩む心構え』」として8月3日に配信したものを、日経ビジネス電子版に転載しています。

 新型コロナウイルスの感染拡大は、海外ではdisasterという言葉を使って報じられています。日本でもワクチン接種が進みつつありますが、打ちたいと思っていても予約をなかなか取れないという人がいる一方で、「ワクチンを打ちたくない」と考える人もいます。ワクチンの打ち手を担う医師はもとより、自身が打ち手ではなくてもかかりつけ医として患者の診療に当たる際には、ワクチン接種のことが話題になることは多いかと思います。

 今回は、「ワクチンを打ちたくない」という人に対して、どのような姿勢で説明をするのがいいか考えてみましょう。

 体質や持病、過去のアナフィラキシーなど重度の過敏症の既往歴がある人であれば、ワクチン接種がそもそも難しいということはあります。そのような場合、医師はワクチン接種の可否について合理的に説明し、患者は合理的な理由に基づいて打たないという選択をすることができます。難しいのは、医師にとっては合理的とは思えない理由で接種を拒む人の場合です。

副反応を恐れる人の「不安」を否定しない

 まず、「副反応が怖いので打ちたくない」という人は多いでしょう。ただ、副反応が怖いということ自体、合理的ではないとは断定できません。実際、数日にわたって接種部位が痛くなったり、腕が上がらなくなったという人は多いからです。

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この記事はシリーズ「新型コロナと闘う「医療最前線」」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。