免疫抑制薬の服用者が3回目接種を受けた研究

 さて、新型コロナワクチンを接種しても、依然マスクを外せない人々もいる。例えば、臓器移植後に免疫抑制薬を服用している人々だ。ある研究(JAMA. 2021;325:2204-6.)によると、臓器移植後に免疫抑制薬を服用している人で、1回目のワクチン接種後に抗体が検出された人は15%、2回目接種の後でも54%にとどまっていた。これが実際にどれだけの感染リスクにつながるかは分からないが、一般人と比べて抗体保有率がかなり低いことは確かだ。

 例えばマスクを着用していない人が多く来店する店で働く店員で、免疫抑制薬を服用している人などは、気が気でないのではないか。そう思っていたら、先の研究報告の興味深い「続き」を目にした。被験者が通常の2回接種に続いて、本来はないはずの「3回目」のワクチンを打ったというのだ(Ann Intern Med. 2021. doi: 10.7326/L21-0282.)。

 上記の被験者のうちで、2回目接種の後にも抗体が検出できない、もしくは抗体が「低レベル」であった30人が、自分の判断で勝手に3回目の接種を受けに行った。その人たちが研究者たちに、メールで「もう1回打ってみようと思うんだけど、血液いる?」と問い合わせたといういきさつは、いかにも米国人らしい(外部リンク)。

 3回目の接種を行ったワクチンの種類は、Johnson & Johnson社製が15人で最も多かった。2回目接種から3回目接種までの期間は、中央値で67日だった。接種後の抗体検査の結果、2回目接種の後も抗体価が低レベルであった6人全員が、3回目接種の後には抗体価が高レベルになった。2回目接種後も抗体検査で陰性だった被験者でも、3回目接種後には24人中8人で抗体が検出できた(抗体価は6人が高レベル、2人が低レベル)。朗報である。

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