希望してまだ接種できていない友人は「1人もいない」

 カリフォルニア州で、16歳以上なら誰でもワクチン接種を受けられることになったのは、4月15日のこと。これは全米の中ではかなり遅い方で、州によっては3月ごろからワクチン接種の年齢制限がなくなっていた地域もある。

 もっとも、カリフォルニア州でも実際にはその前から、多くの若い人たちがあの手この手を使って、1回目の接種にこぎつけていた。16歳未満へのワクチン接種はまだ認可されていないものの、大人の接種率が上がるにつれ、小児の陽性率低下も期待できる。今の米国では、コミュニティー全体で新型コロナ感染者が激減していることを実感できる。まさに、ワクチンさまさまだ。

 この記事を書いている5月8日時点で既に、私の個人的な友人で、ワクチン接種を希望してまだ接種できていない人は、1人もいない。20歳代の友人も、ティーンエージャーのベビーシッターも、皆少なくとも1回目の接種は済んでいる。もちろん、個人的な理由でワクチン接種を拒否した人は数人いるし、「出張続きで忙しくて」と言って接種できていない知り合いも1人いる。しかし、全体的に見てこれは快挙ではないだろうか。

 米国全体では、5月8日のデータでは全国民(ワクチン接種の対象とならない小児も含む「全国民」)の46%が、少なくとも1回の接種を受けている。しかし、地域によってワクチンに対する意識には大きな差があり、共和党支持者でワクチン接種を希望する人は半数以下にとどまるという。新型コロナウイルスのパンデミックの存在自体を否定していた人たちが、今度は「ワクチンは民主党の陰謀」説を唱えていて、そのような人々が多い地域では、ワクチンを打ったと言うと周りに責められるので人には言えない、ということもあるそうだ。

 私の職場のある地域は高齢者が多いためか、16歳以上で少なくとも1回目の接種を終えた人の割合がなんと約8割と、非常に高くなっている。おかげで、冒頭に書いたような希望に満ちた状況に至ったわけだ。

 最近は友人や患者さんたちから、パーティーや旅行の話ばかり聞くようになった。今週診察した患者さんだけで、少なくとも5人がハワイ旅行に行く話をしていた。そんな毎日が訪れたのは、何と言ってもワクチンが広まったおかげだ。このワクチンの開発に携わった人々、そしてワクチンの配布に関わった人々に、ひたすら感謝する今日この頃だ。

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