―― 今日も1日90人以上接種していて、しかも通常診療や健康診断もやっていますよね。

三澤:8時45分に診療を開始して、ワクチンは夕方5時までですね。

―― お昼休みは1時間?

三澤:1時間です。

―― 個別の医療機関でやっていたら通常の診療を行うことができなくなるから、厚生労働省は「ワクチンは集団接種で」と言っているのだと思っていましたけれど。

三澤:そんなことはないですよ。インフルエンザワクチン接種の場合とやることは基本的には同じですよね。ロジ(ロジスティックス、この場合は医療機関への供給・搬送の方法)やワクチンの取り扱い方法はかなり違いますが。

―― そうなんですか。だったら変な緊張感もないし、全然無理がかかっている感じがしないのも分かる気はしますが……。

三澤:平常と変わらないように見えているのは、職員の努力のたまものでもあります。予約を取って、予診の準備、接種の準備、ご覧になったと思いますが、アナフィラキシーが起こらないかを時間をおいて確認、カルテにも登録して、と。

―― やはりバックヤードでは業務がすごく増えているわけですね。

三澤:1日も早くワクチン接種を終えてコロナを収束させよう! という思いで、皆頑張ってくれています。でも、かなり仕事量が増えていますので、職員に負荷がかかっていることは事実です。昨年、発熱した方への対応を開始してからずっと危険手当をつけていましたが、自分たちのワクチン接種が終わってからは「ワクチン接種推進協力手当」に換えて、同額を支給しています。6月にはワクチン特別ボーナスを支給する予定です。月に一度、お昼に高級弁当の出前を頼む企画もしています。職員の頑張りに目に見える形で応えることも大切、と思っています。

―― いいなあ、それは士気が高まりそうです。

集団接種は医師&看護師が立ちっぱなしで

―― 一方で、小金井市の集団接種の状況はいかがでしょうか。

三澤:小金井市では昨日が集団接種の初日で、私も執務してきました。医師2名体制で、医師1人当たり1時間16人で予約を入れています。

―― 1時間で32人ですか。

三澤:はい。9時スタートで午後2時半くらいまでで180人の方に接種したんですけれど、そのくらいだと会場はがらがらで、「キャンセルが出ているの?」と思ったくらいです。実際は1人も出ていませんでしたが。それで、「倍はいけそうですね、予約枠を増やしていきましょう」という話をしています。

―― ここからさらに倍に。

三澤:集団接種の人数を増やす工夫で言いますと、今、小金井では「医師が予診して看護師が打つ」スタイルにしているんですよね。

 被接種者が入るブースが6つあり、1人の医師が3ブースずつ担当します。事務の人が被接種者をブースへどんどん誘導して、肩を出して座って待っていただく。そこへ医者と看護師と事務のペアで回って予診して打っていく、という方法です。

―― ん? じゃあ、お医者さんが座って待っているところに被接種者が来るのではなくて、被接種者が待っているところにお医者さんと看護師さんのペアがどんどん回って、予診を取って、ワクチンを打っていくと。

三澤:そうです。

―― そのほうが速いですか。

三澤:そのほうが速いと思います。服を脱いだりするのを待っている時間がないので。

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