―― 2人で……30分枠で予約を取っているんですよね。何人くらい打てるんですか?

三澤:今日は30分の枠で6~7人ぐらいです。

―― 7人として7時間で98人か、うーむ。

三澤:もっと多いときもあります。今日は雨で外来が空いていたので余裕がありますね。

―― ちなみに、これまでの最多記録はどのくらいでしょうか。

三澤:1時間当たりに換算しますと、21.7人です。

―― すごい! かかりつけ医が予診を短時間かつ確実に済ませて、あとは先生と看護師の方が2人がかりでどんどん打っていく。だから速い、ということでしょうか。

三澤:最初は慎重を期して「1日30人くらいかな」と思っていました。通常診療と同時進行でやっていきますし。しかし、何度もシミュレーションしてやり方を工夫したところ、もっと打てることが分かりました。

―― こっそりスマホのタイマーで計っていたんですけど、接種に来た人が医療関係者なら1分ちょい、ご高齢の方でも2分もあれば終わるんですね。何もどたばたすることもなく、さらさらっと回っていく。

三澤:ご高齢の方でも、かかりつけの患者さんですから私もその方の状態をよく分かっていますし、信頼関係もあるので、リラックスして受けていただけていると思います。

かかりつけ医が直接予約を打診

―― 集団接種ももちろん必要でしょうけれども、いつも行っているかかりつけのお医者さんで接種できるのは、特にご高齢の方にはすごくよさそうですよね。何かと問題になっている予約についてはどうですか。

三澤:3月末に「小金井市でワクチンを打てるのはいつぐらいか」というのが見えた時点から、定期受診にいらっしゃる患者さんに「たぶん次の診察のときにワクチン接種ができますが、どうしますか?」とお聞きして、希望者には予約を取っていたんです。外来受診のタイミングがうまく合わなかった方には、こちらからお電話してご希望を伺いました。

―― そうか、なるほど。定期的にここに来るわけだから、ワクチンが手元にある時期と重なるなら、さっさと予約してしまえばいいじゃないか、と。

三澤:ワクチンの具体的な配送日は確定していなかったので、「もし見通し通りに接種が始まらなかったらごめんなさいね」と言ったうえでですが、これだと高齢者の方は予約の電話をかける必要もないわけです。

―― 電話受付のところもしばらく見せていただいたのですが、まず電話がそれほど鳴らない。そして、スタッフの方の応対を聞いていると、明らかに電話の相手の方が戸惑っているんですよ。「え、こんなに簡単に取れちゃうの」みたいな話になって、応答から察すると「小金井市に住んでない友達がいるんだけど、受けられるかしら?」みたいなことを聞かれたようで、スタッフの方が「小金井市在住の方のみなんですよ、すみません」と言っていました。

三澤:うんうん、そうなんですよね。小金井市の接種がスムーズに進んでいることは、おそらく市民の皆さんに伝わってきているので、パニックになっている方が少ない印象があります。

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