この記事は日経メディカル Onlineにコラム「倉原優の『こちら呼吸器病棟』」として2月8日に配信したものを再編集し、日経ビジネス電子版に転載しています。

コロナ病棟で膀胱バルーンカテーテルを挿入していたとき、付き添っていた看護師が私に言いました。
「毎日のように酸素が必要な患者さんが入院してきますね。オミクロン株が“かぜ”っていうのは、どこの世界なんですかね」
コロナ病棟にいるから、たくさんの患者さんのうち、入院が必要な症例だけを目の当たりにしているというバイアスもあるでしょう。しかし、それにしても肺炎が多い。
軽症中等症病床に入院要請がある場合、来院前に肺炎があるかどうかは基本、分かりません。そのため、入院してきた人を連続的に診ることで、「肺炎が多い・少ない」という実感をコロナ病棟だからこそ得られるのです。
大阪府で最も肺炎が多かったと感じたのはアルファ株第4波でした。デルタ株第5波もそれなりに肺炎の頻度が高かったのですが、酸素を必要とする中等症II以上の肺炎を起こす頻度は、第4波が一番高かったのです。当院では、その頻度は実に66.5%です。軽症中等症病床に新規入院してくる患者さんの3分の2が呼吸不全に陥っていたのが第4波でした1)。
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この記事はシリーズ「新型コロナと闘う「医療最前線」」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
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