この記事は日経メディカル Onlineにコラム「緒方さやかの『米国NPの診察日記』」として1月21日に配信したものを、日経ビジネス電子版に転載しています。

米国では、新型コロナウイルスのオミクロン株の爆発的な感染拡大で、各地が医療崩壊に見舞われている。その主な理由は、人手不足だ。米疾病対策センター(CDC)は2021年12月末、一般の感染者の隔離措置を発症後10日から5日に短縮する方針を示した。これは経済的観念からの措置と見る向きもあり、批判も出た。
加えてCDCは、直近にワクチン接種(ブースター接種を含む)を受けた医療従事者の場合は、たとえハイリスクの濃厚接触があった場合でも、自宅待機や検査なしに就労し続けてもよいとするガイドラインを出した(外部リンク)。オミクロン株の影響による極度の人手不足対策のためである。
これに対しては当然、「患者にも看護師にも危険だ」と看護労働組合などが反対意見を表明している(外部リンク)。しかし、新型コロナに感染しているかもしれない医師や看護師が働いているのと、医師や看護師の絶対数が足りないのとでは、どちらがより怖いだろうか。
ニューヨークのある病院では、2人の看護師が新型コロナ専用病棟で36人の患者のケアに当たっており、患者たちに飲み水などを配る人手も足りないという、野戦病院のような状況が報告されている(外部リンク)。また、新型コロナに全く関係がない原因での入院でも、タイムリーに治療が受けられずに患者が死亡するといった、悪夢のような状況も現実のものとなっている(外部リンク)。
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