「成し遂げたいことは何か」を追求する

小林氏:化粧品は医薬品と同じく、効果や効能を期待して化学的に作ります。ただそれ以上に「かわいい」「素敵(すてき)」といった人の琴線に触れるようなアート的な要素が強いビジネスです。僕自身も商品企画など、クリエーティブに関わるときには、自然とそういう方向に意識が向いていたように思います。

 では若手時代にやっておくべき10の挑戦を紹介します。僕はインプットの質をとにかく高めることが重要だと思っているので、それに関係する5つを説明します。

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1)1次情報に触れる

2)2次情報以降の場合は情報提供者の意図を考える
 直接人に会って、1次情報に触れることが重要です。それが難しい場合、2次情報にはどういう意図があるのか、媒体や情報提供者がなぜそれを発信したのか、という目的を考えると情報収集の精度が上がります。僕はそれをすごく意識してやっています。

3)自分よりすごい、または全く違う人に触れ続ける

4)既存の枠組みや組織・勢力を知り尽くす

5)リベラルアーツに触れる
 自分自身、哲学やアートなどリベラルアーツにもっと早く触れておけばよかったと後悔しています。今、日本の企業を成長させるには、グローバル市場で戦う以外にありません。ビジネスパーソン同士だと、ガチガチのサイエンスの話になりがちですが、アートや哲学の話もできるようになると、より深く議論ができるし、人となりも分かります。特にグローバルではそういう要素が重要だと感じます。

 アウトプットについては4つあります。

6)やることより、目指すこと、成すべきことに目を向ける
 よく「やりたいことをやった方がいい」といわれますが、よく考える必要があります。例えば、オルビスの持ち株会社は上場企業で、経営者として、面倒臭いこともたくさんしなくてはなりません。では、それは僕がやりたくないことかというと、そうではありません。目指したいこと、成し遂げたいことに最短距離で到達するために必要であれば、それもやりたいことの中に含まれます。その会社が成し遂げたいことに共感できるか、そのためのオペレーションは面倒でも成し遂げたいことにつながっていると思えるか。これが、僕が大事にしている価値観です。

7)自らの責任で意思決定できる範囲を獲得する
 権限を持ち、業務をこなした場数を踏まないと、本質的な能力は高められません。大きな会社でも、若くても、権限を持たせてもらうチャンスが今はたくさんあります。自分で獲得しにいくことが大事です。

8)功を焦らない

9)全体への影響を必ず語る

10)異なる2つの掛け合わせでオンリーワンを目指す
 異なる強みを掛け合わせると、会社でも世の中でもオンリーワンになれます。僕自身はアメニティー事業で、ラブホテルを回るような土着営業を経験した一方、社内起業したEコマースの会社で徹底的にサイエンスにも取り組みました。僕自身も今、社員を見ていて、アートとサイエンスの両面を持つメンバーはとても魅力的だと感じます。

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