同じ企業に“大谷翔平”レベルはいない

小林氏:オルビスはスキンケア、化粧品の企画、開発、販売を中心とした会社です。僕は2018年に社長に就任し、以来、東京・表参道に体験型のショップをつくったり、DX(デジタルトランスフォーメーション)を強化し、スマートフォンアプリを活用して、パーソナライズしたサービスを提供したりと様々なチャレンジをしています。

 僕は新卒で化粧品メーカーのポーラに入社し、転職をすることなく今に至っています。ポーラ入社後は、ホテルやスパ向けのアメニティー事業を担当していました。事業としては、ポーラの本流ではありませんでしたが、一生懸命頑張っていました。

 その後、社内ベンチャー制度で立ち上がった敏感肌用のBtoC(消費者向け)ブランドを手掛ける会社に飛び込み、8年ほど経営に携わりました。Eコマースで売り上げ50億円弱、営業利益10億円弱ほどの事業に育てた後、低迷していた旗艦ブランドのオルビスの経営を担うようになりました。社長を務めて4年目です。持ち株会社ポーラ・オルビスホールディングスの取締役、M&A(企業の合併・買収)をした2社の取締役も兼任しています。

<span class="fontBold">小林 琢磨氏</span><br />オルビス代表取締役社長<br />2002年ポーラ入社。2010年グループの社内ベンチャーで立ち上げた敏感肌専門ブランドを扱うDECENCIA代表取締役社長。同ブランドを50億円のビジネスに導いた後、2017年オルビスマーケティング担当取締役、2018年代表取締役社長に就任。リブランディング、構造改革、組織変革を実行。ポーラ・オルビスホールディングス取締役を兼務。早稲田大学大学院MBA(経営学修士)。
小林 琢磨氏
オルビス代表取締役社長
2002年ポーラ入社。2010年グループの社内ベンチャーで立ち上げた敏感肌専門ブランドを扱うDECENCIA代表取締役社長。同ブランドを50億円のビジネスに導いた後、2017年オルビスマーケティング担当取締役、2018年代表取締役社長に就任。リブランディング、構造改革、組織変革を実行。ポーラ・オルビスホールディングス取締役を兼務。早稲田大学大学院MBA(経営学修士)。

榊氏:小林さん、途中ですが聞いてもいいですか。何千人と社員がいる中、40歳でオルビスの社長になるというのはすごいことです。なぜ小林さんが選ばれたのだと思いますか。

小林氏:持ち株会社の指名諮問委員会に聞かないと本当のところは分からないのですが……。社内ベンチャー制度で立ち上がった会社に30代のすべてをささげ死ぬ気でやった経験が、非常に大きかったと思います。僕にとってもキャリア上の転機になりました。

 先ほど言ったように僕は転職を経験していません。でも新しいことへのチャレンジは転職しなくても、外に出て起業しなくても可能です。今、日本の大企業もDXを推進しようとしたり、若い人にチャンスを与えようとしたり、社内起業家を増やそうとしたりするなど、様々な取り組みを進めています。手を挙げればチャレンジの機会は結構あるので、そこに飛び込むことが大事ではないかと思います。

榊氏:小林さんはチャレンジした結果、ポーラ・オルビスホールディングスの社長さんから「コイツはすごい」と目を付けてもらえたわけですね。でも能力はありつつも、チャレンジをしなかったので、目を付けられなかった人も、たくさんいるのでしょうね。

小林氏:いっぱいいると思います。ある程度の会社であれば、入社時に高い倍率の選抜をくぐり抜けて就職した人がほとんどです。このウェビナーを見てくださっている方も、頭が良く意識が高い方たちばかりでしょう。潜在能力の差なんて、ほぼありませんよ。同じ会社に入った人の中に、大谷翔平クラスの突き抜けたレベルの人間なんていません。チャレンジしてみるかどうかの差、だけだと思います。

榊氏:なるほど。チャレンジした人、チャレンジしなかった人の違いに、僕はすごく興味があります。

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