<span class="fontBold">「日経ビジネスLIVE」とは: </span><br />「読むだけではなく、体感する日経ビジネス」をコンセプトに、記事だけではなくオンライン/オフラインのイベントなどが連動するプロジェクト
「日経ビジネスLIVE」とは:
「読むだけではなく、体感する日経ビジネス」をコンセプトに、記事だけではなくオンライン/オフラインのイベントなどが連動するプロジェクト

ビジネスパーソンとしてどう成長していくか――。特に若い世代では大きな関心事です。では、注目を集める成長企業の経営者は、30代までに何を学び、どんな経験を積んできたのでしょうか。本インタビューシリーズでは、若手ビジネスパーソンにも知られる起業家・経営者に「自分の今を形づくった若い頃の経験、努力、失敗」などを振り返っていただきます。また、本シリーズと連動して日経ビジネスでは、6月から若手読者向けにこうした起業家・経営者の経験やビジネススキルをオンラインで学ぶ日経ビジネスLIVEを展開していきます(電子版有料読者は受講料無料です)。ウェビナーの日時・プログラムの詳細は記事末尾をご覧ください。

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今でこそ「大学発ベンチャー」と名のつく企業群は当たり前に存在するが、ほんの10年前までは、国内では創薬分野を除けば珍しい存在だった。そんな中、福島良典氏はインターネット上から情報を効率的に集めるプログラムを開発し、2011年にウェブサービス「グノシー」として世の中に送り出す。18年には同社傘下で「LayerX(レイヤーX)」を立ち上げ、19年にMBO(経営陣が参加する買収)で独立した。「連続起業家」を地でいく福島氏の現在の問題意識とは。

<span class="fontBold">福島良典(ふくしま・よしのり)氏</span><br> 1988年愛知県生まれ。2007年に東京大学に進学し機械学習を学ぶ。東大大学院に進学後、寂しさを紛らわすためによく見ていたSNSから着想を得て、「効率的に情報収集ができないか」と共同創業者とともにグノシーを創業した。AIや機械学習が専門の松尾豊教授が率いる通称「松尾研」のメンバーと親交が深い。優れたプログラマーを発掘する国の「未踏」プロジェクトの対象メンバーにも選ばれたことがある。15年、27歳の時にグノシーを東証マザーズに上場させると、18年にグノシー傘下にLayerX(レイヤーX)を設立しCEOに就任。同時にグノシーの代表権も返上した。19年にMBOでグノシーから独立し、現在に至る(写真:的野弘路、以下同)
福島良典(ふくしま・よしのり)氏
1988年愛知県生まれ。2007年に東京大学に進学し機械学習を学ぶ。東大大学院に進学後、寂しさを紛らわすためによく見ていたSNSから着想を得て、「効率的に情報収集ができないか」と共同創業者とともにグノシーを創業した。AIや機械学習が専門の松尾豊教授が率いる通称「松尾研」のメンバーと親交が深い。優れたプログラマーを発掘する国の「未踏」プロジェクトの対象メンバーにも選ばれたことがある。15年、27歳の時にグノシーを東証マザーズに上場させると、18年にグノシー傘下にLayerX(レイヤーX)を設立しCEOに就任。同時にグノシーの代表権も返上した。19年にMBOでグノシーから独立し、現在に至る(写真:的野弘路、以下同)

福島さんのような連続起業家に憧れる若者は多いと思います。まずは何から始めればいいでしょうか。

福島良典氏(以下、福島氏):確かなのは、若者は経験ある人と同じ戦い方をしてはいけないということです。新しい時代に合った、新しい戦い方をすべきです。日本ではソフトウエア技術を理解している起業家は、信じられないほど少ない。ビジネスパーソンとして将来活躍したいなら、プログラミングやソフトウエアの技術を深く理解するのが近道です。経営を学ぶよりも技術を深く理解した方が、結果的にビジネスにつながるケースが、今後増え続けるでしょう。

 年を取れば取るほど変化に対応できなくなります。50歳になってから突然、ITエンジニアになれる人は限られます。できる人は素晴らしいと思いますが、基本的には若い人が担った方がいい。経済産業省の試算では数十万人単位でITエンジニアが足りないとされています。こちらの道を若いうちに選んだ方が、ROI(投資対効果)の高い人生になる気がします。

面白い人がいる場所で働こう

ITエンジニアの魅力は何でしょうか?

福島氏:豊かでワクワクする人生を歩むなら、仕事は重要なファクターです。この先消滅するような重要でない仕事より、世の中のためになったりインパクトがあったりする仕事に面白い人は吸い寄せられます。面白い人と働くというのは、個人的に結構重要だと思っています。明日への希望につながりますから。

 スタートアップで働く人に日本の展望を尋ねると、みんな「将来は明るいです!」と答えるんですよね。遅れている点は認めつつも、「人口が減って高齢化も進むけど、生産性を上げれば世界に売り込むチャンスだ」と考えている人がスタートアップにはいるんです。日本の未来が暗いと主張する人は、「高齢化が深刻化する前に何とかして逃げ切ろう」という考えなのかもしれません。

 ならば、「頑張ればギャップは埋められる」と考える人たちと人生を歩んだ方が楽しいと思いませんか。そういう幸運な場所は今、ソフトウエアの周辺で見つけられます。だからこそ、ソフトウエア技術を学んで使ってほしいな、と思います。

素人からすると、プログラミングは難しくてとっつきにくい印象です。

福島氏:何かを発明する必要はなく、基本的なことを理解しているだけでまずは十分です。学生のうちにソフトがなぜ動くのかを知っておけば、リアルの社会を見たときに「なぜこんなバカなことをしているんだ」と多くの場面で気づくはずです。それはそのまま、あなたのビジネスチャンスや発明につながるでしょう。

 起業家は研究者とは異なります。世の中の不便さと今の技術でできることの強烈なギャップを見つけて、そこからの発明をプロダクトという形にして提示することが起業家の仕事です。難しいのは発明したモノの実装ではなく、価値を広く解説したり説得したりすることです。まずは問題の質を理解することが重要です。

続きを読む 2/2 「日々壁にぶち当たっていますよ」

この記事はシリーズ「若手経営者が明かす、30代までに学ぶ「ビジネスの流儀」」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。