縁、タイミング、運……、キャリアと恋愛は似ている。

岩瀬氏:キャリアパスということはあまり考えていませんでした。1社目のときは最年少役員になりたいって思っていましたし、いつかは留学したいとは考えていましたが、ご縁と直感を信じて新しいチャレンジを続けてきたという感じです。

 キャリアって恋愛に似ていると思うんです。ご縁やタイミングや運次第。恋愛でも2年間この人と付き合って、次の人とは3年間付き合って、その次の人と結婚しようとかって考えているのは、ちょっと気持ち悪いじゃないですか。仕事もそれと一緒。そもそも人生って予定通りにはならないですし。

 30歳になってライフネット生命を立ち上げたのも、投資家の方たちと話をしていて「何かやろうよ」と言われたのが始まりでした。いくつかプロジェクトがあって、そのうちの一つがネットの保険、ライフネットだった。そうした縁から、私自身も「面白い」「挑戦したい」と思ったことが、その後の創業につながったのです。

日本ではまだ一つの仕事を生涯または定年まで続けるという働き方が多いと思います。そういう生き方についてどう思いますか。

岩瀬氏:26歳くらいでしょうか。その頃、転職も経験していましたが、私と同時期に司法試験に合格していた友人たちは弁護士として着実にキャリアを積み上げているように感じました。彼らを見ていると「自分はこれでいいのかな」と、考える部分はありました。

 似たような感覚は今でもあります。今は社会人24年目になりますが、弁護士になった彼らはさらに経験を積んで、その道の超プロフェッショナルになっています。大企業で働いている同世代の人には、社長にまで上り詰めた人もいます。だから、長く続けることには価値がある、素晴らしいことだと思っています。

 ただ、人生をやり直せるとしたら、私も一つの仕事を続けるかどうかっていうと、やっぱり違うかなと思います。これは好みにもなりますが、いろんなことにチャレンジして、失敗しながらもいろんな風景を見てみたいという思いが私にはありますね。

華やかそうな仕事も、地味なことの積み重ね

これまでを振り返って後悔していることはありますか。

岩瀬氏:そんなに後悔してないんですが、強いて言うなら28~30歳にMBA(経営学修士)の取得のためにアメリカに留学していた頃のことです。途中、インターンとして企業で働いたんですが、当時人気が高く、かっこよくて給料も高いイメージもあるヘッジファンドで働きました。

 ただ、めちゃくちゃつまらなかった。僕は株取引に1ミリも興味がないからなんですね。何をやってもいいという貴重な期間だったので、今思えば、例えばアニメ会社などでインターンをすればよかったなって思っています。それまでまったく関わってきていない分野でしたし、恐らく今後も関わることがないような業界。何をやってもいいという特権が与えられたなら、そういう道を選ぶのもありかなと思っています。

若いビジネスパーソンが働く上で、必要なスキルや考え方とは何でしょうか。

岩瀬氏:私は帰国子女だったので苦労はしなかったのですが、英語はやはりできたほうがいいと思っています。英語が読める、しゃべれるというだけで世界は100倍くらい広がります。

 あとは仕事を前向きに捉えていくということでしょうか。若い頃って面白い仕事やつまらない仕事、かっこいい仕事、かっこよくない仕事と、いろいろあるように思いがちです。でも、いろんな仕事をしてきて感じるのは、どんな仕事も大して変わらないということ。一見、華やかそうな仕事でも、基本的には地味なことの積み重ね。どの職業でも変わりません。

 私は「自分の仕事が一番楽しい」と前向きに取り組むことができました。得な性格なのかもしれません。プラス思考に物事を考えていくことが仕事をする上では重要なのだと思います。

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