メッセンジャーアプリ大手のLINE社は2021年11月29日、ソーシャルギフトサービス「LINEギフト」の新戦略を発表。大規模キャンペーン展開に加え、親会社となったZホールディングスのリソースを生かした品ぞろえの強化を打ち出している。だがソーシャルギフトの定着には踏み込んだ策も必要になってくるだろう。

コロナ禍でLINEギフトの利用が急拡大

 SNSなどを通じて手軽に使えるギフトを贈れるソーシャルギフトサービス。韓国で人気となったことを機に、日本でもいくつかの事業者がサービスを提供してきたが、なかなか定着に至っていないというのが正直なところだ。

 ソーシャルギフトを古くから手掛けるギフティが2020年に東京証券取引所の市場第一部への上場を果たすなど、成功を収める企業も出てきてはいる。ただ同社の場合、法人向けのデジタルギフトがビジネスの主体となっており、決算内容を見ても個人向けのソーシャルギフトはあまり伸びていない。

 だがここ最近、そのソーシャルギフトに関して大きな動きを見せているのがLINE社である。同社はもともと韓国NAVER(ネイバー)が親会社だったこともあり、韓国でのソーシャルギフト人気を受ける形で2015年に「LINEギフト」を開始したものの、やはり他社と同様に大きな成功を収めるには至っておらず、同社の事業としては地味な存在という印象は否めなかった。

 しかしながら、2021年11月29日に同社が実施したLINEギフトの事業戦略発表会で、同社のギフト事業部 事業部長である米田昌平氏は、ここ1、2年のうちにLINEギフトの利用が大きく伸びていると説明。2019年に利用者数が500万人を超えて以降、新戦略発表日時点では1980万人と、間もなく2000万人に到達する規模にまで急拡大しているという。

2021年11月29日に実施された「LINEギフト」事業戦略発表会より。LINEギフトの利用者数は新戦略発表日時点で1980万人と、間もなく2000万人に達する規模にまで伸びているとのことだ(筆者撮影)
2021年11月29日に実施された「LINEギフト」事業戦略発表会より。LINEギフトの利用者数は新戦略発表日時点で1980万人と、間もなく2000万人に達する規模にまで伸びているとのことだ(筆者撮影)
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 流通額も2021年度の第2四半期で前年比184%にまで拡大しており、短期間のうちに利用が急拡大している様子がうかがえる。米田氏が「2020年5月の母の日のタイミングでは大きく伸びた」と話すなど、そこにはコロナ禍で家族が直接会えない時期が増えたことも少なからず影響しているようだ。

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