ソニーは2021年10月26日、同社のスマートフォン「Xperia」シリーズ向けの周辺機器「Xperia View」を発表した。4Kの解像度を備える「Xperia 1 III」などの高精細ディスプレーを生かし、没入感のある映像コンテンツを体感できるVRデバイスだ。スマートフォンを活用したVRプラットフォームの撤退が相次ぐ中、あえて今からその分野に取り組むソニーの狙いはどこにあるのだろうか。
Xperia 1 II/1 III専用のVRゴーグル
ソニーは2021年10月26日、新しいスマートフォン「Xperia PRO-I」を発表。シャープの「AQUOS R6」に続いてカメラに1インチセンサーを採用したのに加え、新たに動画投稿者「VLogger(ブイロガー)」などを対象とした動画撮影アプリ「Videography Pro」を搭載するなど、静止画・動画ともに画質にこだわるプロやセミプロを対象としたスマートフォンに仕上がっている。
同社はXperia PRO-Iと併せて、「Xperia View」というデバイスも投入している。こちらはスマートフォンを装着してVRコンテンツを視聴できるVRゴーグルなのだが、市販されている簡易型のVRゴーグルとは全く異なり、画質の追求に力が入れられている。
実際、Xperia Viewに搭載できるスマートフォンは「Xperia 1 II」「Xperia 1 III」の2機種に限られている。その理由は、両機種がハイエンドモデルで高い性能を備えていること、そして4K解像度のディスプレーを搭載していること。Xperia Viewはそれらの高い性能と4Kディスプレーを生かし、高解像度で没入感の高いVR映像を楽しめることが最大の特徴となっているのだ。
Xperia Viewでは、両機種の高い性能を生かして8Kの360度動画をデコードして再生できるのだが、それを対角120度の視野角で視聴する部分の解像度は2K相当になる。そこでXperia 1 II/1 IIIの4Kのディスプレーを左右に2Kずつ分割して用いることにより、8Kの360度動画を高画質で視聴できるのだという。
同じソニー製のスマートフォンでは、「Xperia 5 III」などもハイエンドモデルに位置付けられているが、それらは4Kディスプレーを搭載していないことからあえて対象としていない。そうした点からもXperia Viewの画質に対する強いこだわりを見て取ることができるだろう。
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