日本で若い世代がBNPLを支持する理由は

 実際、日本における後払いサービスはどのような層に、どのような形で利用されているのだろうか。メルペイ社が2021年10月11日に発表した消費と支払い手段に関する調査によると、後払いサービスの利用経験がある人は既に3割に上っており、とりわけ20代や30代の若い世代は3割を超えるなど、利用傾向が高い傾向にあるという。

 一方で、20~30代は3000円未満のものを購入する際、5割以上が30分以内に決断するとしており、さらに2割以上の人は5分以内で判断するなど、欲しいと感じたときにすぐ購入する傾向にあるという。そうした世代はクレジットカードの利用について「ついお金を使いすぎてしまう」「利用金額を把握しにくい」といった課題を多く挙げており、後払いサービスを利用する理由として「支払いタイミングを調整できる」「利用金額を把握しやすい」など、支払金額の管理をしやすいことをメリットに挙げる人が多かったとする。

メルペイ社が実施した調査によると、20~30代はクレジットカードに対し、使い過ぎや支払金額の把握しにくさが課題と感じる一方、後払いは支払うタイミングを調整できたり、利用金額を把握しやすかったりする点をメリットに感じているという
メルペイ社が実施した調査によると、20~30代はクレジットカードに対し、使い過ぎや支払金額の把握しにくさが課題と感じる一方、後払いは支払うタイミングを調整できたり、利用金額を把握しやすかったりする点をメリットに感じているという
(出所:メルペイ)
[画像のクリックで拡大表示]

 同社による一連の調査からは、欲しいものをすぐ購入するという若い世代の購買スタイルにマッチしており、なおかつ支払金額を自身で管理しやすいという安心感がある故、後払いサービスを選ぶ傾向にある様子が見えてくる。こうした状況を踏まえメルペイスマート払いでは、後から支払いを分割したり、利用額の上限を決めて使い過ぎを防ぐ仕組みを設けるなど、支出を管理しやすくする機能に力を入れているとのことだ。

 日本では以前よりクレジットカードによる使い過ぎへの不安感が根強く存在しており、分割払いよりも一括払いが多いなど、他の国と使い方が大きく異なる傾向にある。それだけに、支払いの管理しやすさを重視し安心感を与えることで、BNPLが拡大する余地は他の国よりも大きいのではないかと考えられる。

 そこで重要となってくるのは、現在の主要ターゲットとなっている20~30代より上の世代に対していかに認知を高め、支持を得られるかだろう。そのためにはオンラインだけでなく、オフラインでの決済利用に向けた対応も重要になってくる。今後BNPLを世代を超えて広げるためには、オフラインでの利用拡大に向けた取り組みが問われるといえそうだ。

■変更履歴
当初3ページ目で誤った図版を掲載していました。お詫びして訂正します。図版は修正済みです。 [2021/10/18 10:45]
佐野 正弘(さの まさひろ)
フリーライター
福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手掛けた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手掛ける。

[日経クロステック 2021年10月18日掲載]情報は掲載時点のものです。

日経クロステックは、IT、自動車、電子・機械、建築・土木など、さまざまな産業分野の技術者とビジネスリーダーのためのデジタルメディアです。最新の技術や法改正、新規参入者や新たなビジネスモデルなどによって引き起こされるビジネス変革の最前線をお伝えします。

この記事はシリーズ「日経クロステック」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。