独自技術でメタバース用3Dデータを早期に作成
まずメタバースの活用についてだが、実はNTTドコモは以前にもメタバースを活用したOMO施策を展開している。それは2022年3月から4月にかけて三井不動産と実施した「NEW POINT×THE-ST」である。これはリアルとメタバースとの2つの空間で様々なスマートトイを体験できるストアだ。
同社によると、NEW POINT×THE-STを体験した人の8割以上が「店舗のエンターテインメント性の向上」と「商品理解の向上」の効果があると回答、さらにおよそ5割の人が「自宅からもアクセスしたい」と回答したとのこと。その実績を踏まえ今回のアートアクアリウム美術館GINZAにおける施策では、エンターテインメント施設でメタバースとの接点を提供することにより、どれだけの人にメタバースを利用してもらえるかを確認することが大きな狙いになっているのだそうだ。
ただそこで課題になるのが、現実空間とイメージを合わせたメタバース空間を構築するのにかかる手間であるという。特にアートアクアリウム美術館GINZAは主な展示物が透明な水槽であり、従来の手法で光の反射や透過などを再現した3Dデータを作成するには手作業が入ることから、かなりの手間と時間がかかってしまう。
そこでNTTドコモでは、独自の3次元映像処理技術により複数枚の写真を組み合わせて3Dコンテンツを作成できるフレームワークを開発した。従来の手法よりもスピーディーにメタバース空間の作成ができる仕組みを構築したとする。そこで課題となるのは先にも触れた光の反射や透過などの表現の実現だが、同社のフレームワークではそれらを再現する技術も導入されているとのことだ。
実際、今回のメタバース空間内にはアートアクアリウム美術館GINZAの展示物の1つ「オリガミリウム」を再現したオブジェクトなども用意されており、それらもこのフレームワークを用いて作成されているという。透明感のあるイメージをうまくメタバースの空間内で再現している様子を見て取ることができた。
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