グリーは2021年8月6日、子会社のREALITY社を通じてメタバース事業に参入すると発表した。一時は関心が大きく落ちていたメタバースだが、米Facebook(フェイスブック)がメタバースへの注力を打ち出すなど、ここ最近再び関心が高まりつつあるのはなぜだろうか。

VTuberのライブ配信基盤をメタバースに生かす

 スマートフォンゲームなどを手掛けるインターネットサービス大手のグリー。そのグリーが2021年8月6日の決算説明会で、新たにメタバース事業への参入を打ち出した。

 メタバースとは、自身の分身となるアバターを通じて仮想空間に入り、空間内を自由に行動したり、参加者同士でのコミュニケーションができたりするサービス。かつて大きな注目を集めた米Linden Lab(リンデンラボ)の「Second Life」がその代表例として知られる。

 グリーはそのメタバース事業に、子会社のREALITY社を通じて参入するとしている。REALITY社は人間が3DのキャラクターにふんしたYouTube配信者、いわゆるVTuberによる動画のライブ配信を楽しめるスマートフォンアプリ「REALITY」を提供する企業で、同アプリはグリーが現在成長分野として注力しているサービスでもある。

グリーは子会社のREALITY社を通じてメタバース事業に本格参入することを発表。3Dアバターによるライブ配信サービスの「REALITY」をベースにメタバースを展開するとしている
グリーは子会社のREALITY社を通じてメタバース事業に本格参入することを発表。3Dアバターによるライブ配信サービスの「REALITY」をベースにメタバースを展開するとしている
(出所:グリー)
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 そしてグリーの発表内容によると、同社はREALITYを基盤としてメタバース事業を展開していく方針のようだ。具体的には2021年8月6日、REALITYのアプリ内に「ワールド」という機能を期間限定で追加。この機能を使うと、アバターを通じて8種類のバーチャル空間を自由に動き回り、参加者同士でのコミュニケーションができるという。

 REALITYはライブ配信に用いるアバターのキャラクターを自分で作成する機能を用意しているのに加え、利用者がバーチャルなキャラクターとのコミュニケーションになじんでいるなど、メタバースとの相性が良い。そうしたことから新たに基盤を作るのではなく、REALITYをメタバースの基盤を生かす判断に至ったといえそうだ。

 さらに同社では、REALITYのライブエンターテインメント事業を、2022年度よりメタバース事業へと改称し、機能強化に向けて投資を拡大する方針も示している。同社がいかにメタバースに強い期待を抱いているかがうかがえるだろう。

続きを読む 2/3 なぜ今、再びメタバースなのか

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