NTTドコモは2022年7月14日、独自のAR(拡張現実)サービスプラットフォーム「XR City」を全国7つのエリアで提供開始した。謎解きゲームや写真撮影用のフィルターなど、ARを活用した幅広いコンテンツを提供できる意欲的なプラットフォームとなっているが、定着に向けては課題も少なくないように思える。

2027年3月には全国200以上でARサービスを展開

 メタバースで急速にVR(仮想現実)への注目が高まっている昨今だが、一方でARに関連した技術やサービスの開発に力を注ぐ企業も多く、関心は衰えていない。中でも国内でAR関連のサービス開発に積極的な1社がNTTドコモだ。

 実際NTTドコモは、東京・新宿エリア全体でAR技術を活用して情報やコンテンツを提供し、街の魅力を向上させる大規模なプロジェクト「XRシティ SHINJUKU」を2020年と2021年の2度にわたって実施。さらに2022年3月には、大阪・道頓堀でもARを活用した観光のデジタル化に向けた実証実験「道頓堀XRパーク」を実施するなど、ARに関して積極的な取り組みを見せていた。

 そして2022年7月13日、同社はこれまでのARに関する取り組みの集大成というべき発表を実施している。それがXR Cityの提供開始だ。これは街を主体としたARのサービスプラットフォームであり、スマートフォンで専用のアプリを起動して特定の場所を訪れると、その場所限定のARコンテンツをプレーできる仕組みだ。

 具体的には、その場所で写真や動画を撮影する際にARで「SNS映え」する演出が施される「ARフィルター」や、街を歩きながらゲームや謎解きなどを楽しめる「街回遊コンテンツ」、人気ゲームやキャラクターのタイアップで提供される期間限定のコンテンツなどが用意されるという。場所を限定したコンテンツにはVPS(Visual Positioning System/Service)を活用して位置を特定するが、通常の平面検知やマーカーなどで位置を認識するARコンテンツにも対応でき、屋内外問わずARコンテンツを提供できるメリットがあるとしている。

 なお対象エリアに関しては、2022年7月14日のサービス開始時点では東京都の新宿中央公園や埼玉県庁など、7つのエリアにとどまっている。だが2022年8月にはそれを10エリアに、2023年3月までには15エリアにまで広げる予定で、さらに2027年3月までには全国200以上のエリアに広げたいとしており、実現すれば国内のARサービスとしてはあまり例がない大規模なものとなる。

NTTドコモが新たに立ち上げたARサービスプラットフォーム「XR City」。対象となる場所を訪れ専用スマートフォンアプリを用いることで、ゲームや写真フィルターなど様々なコンテンツを楽しめる仕組みだ。写真は2022年7月13日、新宿中央公園にて筆者撮影
NTTドコモが新たに立ち上げたARサービスプラットフォーム「XR City」。対象となる場所を訪れ専用スマートフォンアプリを用いることで、ゲームや写真フィルターなど様々なコンテンツを楽しめる仕組みだ。写真は2022年7月13日、新宿中央公園にて筆者撮影
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