コロナ禍で復活した高性能タブレットの需要

 そうした状況の中、グーグルは約3年が経過したタイミングでタブレットに再参入すると表明した。一体なぜ、グーグルは一度諦めたタブレットに再び参入するという判断を下したのだろうか。

 そこに影響しているのはコロナ禍を主とした環境変化であろう。コロナ禍で多くの人が自宅で過ごすように求められ、自宅で楽しめるエンターテインメントの重要性が高まったのに加え、自宅でリモートでの仕事や学習をするニーズが大幅に高まったというのは、多くの人が知るところだ。

 そうしたことからスマートフォンより画面が大きい大画面デバイスに対するニーズが急速に高まった。また1つのデバイスを様々な用途に利用するニーズが増えたことで、性能の高さも求められるようになった。そこで復活したのが、高性能なタブレットのニーズである。

 コロナ禍以前はタブレットの主な利用用途が動画視聴などだったことから、低性能で低価格のモデルにニーズが集中して急速な低価格化が進み、グーグルをはじめ撤退するメーカーが相次いだ。だが一転して高性能を求めるニーズが高まったことで、各社のタブレット製品ラインアップにも大きな変化が出てきている。

 実際ここ最近、日本で投入されたAndroidタブレットを見ても内容の変化が進みつつある様子がうかがえる。国内でAndroidタブレットを継続的に投入していた数少ないメーカーである中国聯想集団(レノボ・グループ)の日本法人であるレノボ・ジャパンが2022年に投入した「Lenovo Tab P12 Pro」や、その傘下のNECパーソナルコンピュータが投入した「LAVIE Tab T12」は、いずれもチップセットに米Qualcomm(クアルコム)製のハイエンド向け「Snapdragon 870」を搭載。ディスプレーには有機ELを採用するなど、タブレットとしては極めて高い性能を備えていることが分かる。

 また2021年には、中国の小米集団(シャオミ)が高性能のチップセットを搭載したタブレット「Xiaomi Pad 5」を日本に初めて投入した。このほか、サムスン電子も長らく日本への投入を見送ってきたタブレットに関して、2022年に高性能モデルの「Galaxy Tab S8+」「Galaxy Tab S8 Ultra」を投入するに至っている。こうした動向を見れば、国内でもハイエンドのAndroidタブレットが復活基調にある様子が理解できるだろう。

高性能タブレット需要の復活を受け、サムスン電子も「Galaxy Tab S8+」など高性能Androidタブレットの日本投入を再開した。写真は2022年4月7日のGalaxy新製品発表会より(筆者撮影)
高性能タブレット需要の復活を受け、サムスン電子も「Galaxy Tab S8+」など高性能Androidタブレットの日本投入を再開した。写真は2022年4月7日のGalaxy新製品発表会より(筆者撮影)
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