中国のNreal(エンリアル)が提供するARグラス「Nreal Air」が、日本でコンシューマー向けに販売されている。装着すると現実にはない大きなスクリーンで映像などを楽しめることから注目されているようだ。一方で現時点ではコンテンツの不足もあってARデバイスを利用するメリットが少ないなど、普及に向けた課題は少なくない。

コンシューマー向けに本格販売されたARデバイス

 比較的低価格で利用できるデバイスの登場に加え、メタバースに対する注目度の急速な高まりもあって、VR(仮想現実)デバイスに対する関心はここ最近急速に高まっている。一方で、AR(拡張現実)に関連するデバイスをコンシューマー向けに提供する動きはあまり見られなかったが、最近変化が出てきている。

 それは中国のエンリアルが日本で「Nreal Air」の販売を開始したことだ。Nreal Airは2022年3月4日よりNTTドコモとKDDIから販売を開始しており、同社の発表によると日本での販売が世界初になるという。事前の予約も予想を上回るなど出足は好調で、一定の注目を集めたことは確かなようだ。

 Nreal Airについて改めて確認しておくと、これは眼鏡型のARデバイスであり、内側に搭載されたディスプレーの映像をレンズに反射することで、現実空間とARの映像を同時に見ることができるというもの。見た目は大きめのサングラスといった印象で、約79gとこの手のデバイスとしては軽量な部類に入る。

「Nreal Air」は眼鏡型のARデバイスで、見た目は大きめのサングラスといった形状で、ARデバイスとしては軽く装着しやすい(筆者撮影)
「Nreal Air」は眼鏡型のARデバイスで、見た目は大きめのサングラスといった形状で、ARデバイスとしては軽く装着しやすい(筆者撮影)
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 ただし単体で利用することはできず、実際に利用する際はUSBケーブルでスマートフォンと接続し、「Nebula」という専用のアプリと連係して使う。ちなみにNebulaで利用できるのは「Air Casting」と「MRモード」の2つだ。

 前者はスマートフォンの画面をそのまま映し出すもの。後者は空間上に専用のホーム画面が現れ、パソコンのように様々なアプリケーションを起動して利用できる仕組みなのだが、各アプリのウィンドウの位置やサイズを自由に変更できるだけでなく、顔を動かしてもウィンドウが同じ位置に固定されているなど、よりARらしい体感を得ることができる。

 筆者も実際に使ってみたのだが、MRモードは高度な機能が利用できる一方、使い勝手の面ではまだ工夫が必要だと感じる。現時点では、常に顔の中心に画面が追従してしまうこともあってやや酔いやすいという弱点はあるものの、Air Castingのほうが使い勝手がよい印象だ。

Nreal Airを利用するには専用アプリ「Nebula」をスマートフォンにインストールし、接続する必要がある。利用できるモードは2つあるが、現時点ではシンプルにスマートフォンの画面を大画面で映し出せる「Air Casting」のほうが使い勝手がよい印象だ(筆者撮影)
Nreal Airを利用するには専用アプリ「Nebula」をスマートフォンにインストールし、接続する必要がある。利用できるモードは2つあるが、現時点ではシンプルにスマートフォンの画面を大画面で映し出せる「Air Casting」のほうが使い勝手がよい印象だ(筆者撮影)
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