LTEを搭載、エレベーターでフロア間の移動も

 RICEは香港のRice Roboticsが開発した屋内用の自律走行型配送ロボット。香港では既にホテルなどで活用されている実績があり、今回の実証実験ではそのRICEとシステムをアスラテックが提供しているとのことだ。

 RICEの本体には自律走行のため、LiDARなどのセンサー類に加え、LTEによる通信機能も備わっている。そのLTEを活用してLiDARやタイヤの回転などの情報を管理システムに通知することで、GPSが利用できない屋内でもRICEの走行位置を把握できるようになっているという。

 そしてもう1つ、通信機能が活用されているのがエレベーターと連係してのフロアをまたいだ移動だ。今回の実証実験ではRICEが店舗と同じフロアだけでなく、異なる階のフロアにエレベーターで移動し、商品を届けられる仕組みが用意されている。通信機能を用いてRICEとエレベーターが連動することで、エレベーターを制御し他のフロアへの移動を実現しているわけだ。

RICEにはLTEによる通信機能が搭載されており、それを活用することで位置の把握や、エレベーターを制御してのフロア間移動などを実現しているという。写真は2021年4月20日にセブン‐イレブン・ジャパンらが実施した自律走行型ロボットによる商品配送の実証実験より(筆者撮影)
RICEにはLTEによる通信機能が搭載されており、それを活用することで位置の把握や、エレベーターを制御してのフロア間移動などを実現しているという。写真は2021年4月20日にセブン‐イレブン・ジャパンらが実施した自律走行型ロボットによる商品配送の実証実験より(筆者撮影)
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 この仕組みの実現には、東京ポートシティ竹芝オフィスタワーにある三菱電機製のエレベーターに搭載されているIoTプラットフォーム「Ville-feuille(ヴィルフィーユ)」を活用しているとのこと。今回の実証実験で使用するRICEは1台のみなので、それに対応するエレベーターも1基のみと限定されているが、店舗と異なる階のフロアへ移動できる仕組みが備わっていることは、配送の実用性を高める上で大きな意味を持つ。

 ただ建物内での利用を考えた場合、料金面などを考慮するとWi-Fiを利用したいというニーズも高いのではないかと考えられる。アスラテックの関係者によるとRICEはLTEだけでなくWi-Fiでも通信対応は可能だという。今回LTEを用いている理由は、建物の環境を選ぶことのない通信だからだとしている。

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