セブン‐イレブン・ジャパンとアスラテック、ソフトバンクは2021年4月20日、LTEの通信機能を備えた自律走行型配送ロボット「RICE(ライス)」によるセブン‐イレブンの商品配送の実証実験を4月21日から本格的に開始すると発表した。建物内でのロボットによる自動配送の検証を目的とした取り組みだが、その可能性と課題を探ってみたい。
オフィス内店舗でロボットが商品を配送
利便性向上に加え、少子高齢化による人手不足の解消などを目的として、自律走行が可能なクルマやドローン、ロボットなどを活用して商品を配送する実証実験は近年大幅に増えている。そうした中、新たな動きを見せたのがコンビニエンスストア大手のセブン‐イレブン・ジャパンである。
同社は2021年4月20日、ロボット関連の事業を手掛けるアスラテックおよびソフトバンクと、自律走行型配送ロボットのRICEによる商品配送の実証実験を実施すると発表した。これは3社に加え、三菱電機と東急不動産の協力の下に実施されるもので、同日にはソフトバンクが入居する「東京ポートシティ竹芝オフィスタワー」で実証実験の様子が公開された。
実証実験の内容は、まずオフィス内のソフトバンク社員が、セブン‐イレブンの商品をスマートフォンで注文できるサービスである「セブン‐イレブンネットコンビニ」で商品を注文する。すると東京ポートシティ竹芝オフィスタワー内にあるセブン‐イレブンの店舗で、注文された商品を従業員がピックアップしてRICEに載せる。
その後従業員がオフィス内の配送先を指定すると、RICEが指定された場所まで自律走行し、商品を配送する。RICEが目的地に到達すると、注文者のスマートフォンに暗証番号をSMSで通知する。暗証番号をRICEに入力することで蓋のロックを解除し、蓋を開いて商品を受け取る形となる。
ちなみにRICEは10kgまでの荷物を配送できるとのことで、今回の実証実験で配送できる商品も約550点と幅広い。ただ収納部分が1つで保冷や保温などの機能は備わっていないことから、アイスクリームや温めた弁当などは配送の対象外となる他、たばこなど本人確認が必要な商品も購入できないとのことだ。
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