プライバシー保護やプラットフォーム規制など、様々な面で厳しい対応が求められるようになったスマートフォンのアプリストア。そうした変化を意識して、アプリストアを運営する事業者はどのような取り組みを強化しているのだろうか。2021年4月9日、米Google(グーグル)はGoogle Playの最新状況に関する説明会を実施した。その内容から同社の取り組みについて見てみよう。

エコシステムの持続的成長に欠かせない信頼性と安心

 スマートフォンのアプリストアは、年々規模が大きくなるとともに社会的責任も大きくなってきている。2020年のフォートナイト騒動を機に注目されたアプリストアの課金手数料の問題をはじめ、規模が大きくなったことでプラットフォーム規制に関する議論が出てきたのはその最たる例といえるだろう。それ以外にもアプリストアで配信されるアプリのセキュリティーやプライバシーに関する問題も、近年注目を集めるようになった。

 そうしたことからアプリストア側も、ストアの健全な運営とアプリ開発者の支援に向けた取り組みを進めているようだ。2021年4月9日にはGoogle Playを運営するグーグルが記者説明会を実施、アプリストアと開発者の環境改善に向けた取り組みについて説明した。

 同社のGoogle Play パートナーシップ バイス プレジデントであるパニマ・コチカー氏によると、現在Androidは25億台を超える月間アクティブデバイス数を誇り、Google Playの利用も月間アクティブユーザー数が20億人に達するとのこと。そしてGoogle Play上でアプリを提供しているデベロッパー(中国を除く)は800億ドル(約8.8兆円)の売り上げを得ているという。いかにGoogle Playが大規模なエコシステムを構築しているかが分かる。

 だがパニマ氏は、規模が大きくなったからこそ「エコシステムの参加者を保護することが大事と実感している」と話す。Google Playで重要視していることは、ユーザーやアプリ開発者が安心して利用できる環境の提供だという。

 そのための取り組みの1つとしてパニマ氏が挙げているのが、新たに公開したWebサイト「How Google Play Works」である。ここではアプリ開発者に向け、Google Playの概要や取り組みなどが説明されている。中でもパニマ氏は「信頼性と安全性」に関する取り組みが「持続可能なアプリを作る上でのキーとなる」と話している。

グーグルが公開した「How Google Play Works」の日本語版Webサイト。開発者に向けてGoogle Playの概要や、安全性やビジネスなどへの取り組みなどについての説明がある
グーグルが公開した「How Google Play Works」の日本語版Webサイト。開発者に向けてGoogle Playの概要や、安全性やビジネスなどへの取り組みなどについての説明がある
(出所:グーグル)
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