Zホールディングスと、ヤフーなどの傘下企業は2022年1月26日、「Yahoo!マート by ASKUL」を開始しダークストアを活用したクイックコマース事業への本格参入を発表した。クイックコマースはここ最近急速に盛り上がりつつあるが、国内では全国に店舗が存在するコンビニエンスストアを活用したサービスが競合となる可能性が高い。Zホールディングスに勝機はあるだろうか。
グループの力を集結しクイックコマースに参入
オンラインで単発の仕事を請け負うギグワーカーを活用したフードデリバリーサービスを巡り、競争が激しくなっている。そのフードデリバリーから派生する形で、ここ最近日用品などを配送する「クイックコマース」が急速に盛り上がりを見せつつあるようだ。
その背景にあるのが、ここ最近のオミクロン株による新型コロナウイルス感染の急拡大と、それに伴う自宅待機者の急増のようだ。クイックコマースは外出が難しい状況下で日用品を調達したいというニーズにマッチしている。実際、ベンチャー企業のOniGO(オニゴー)が展開する、オンライン配送専用の店舗「ダークストア」を活用したクイックコマースサービスなどがテレビなどで取り上げられる機会が増えている。
もっとも日本ではまだクイックコマースを本格的に手掛ける企業は多いとはいえず、「pandamart」で事業拡大を図ろうとしていたドイツDelivery Hero(デリバリーヒーロー)は、フードデリバリー市場の競争激化を受け、突如日本市場からの撤退を余儀なくされている。だがその可能性に目を付けている企業自体は多いようで、新たに参入を表明したのが国内インターネットサービス大手のZホールディングスだ。
実際Zホールディングスは2022年1月26日、傘下のヤフーやアスクル、出前館と共同で食料品や日用品などを配送するクイックコマースサービスの「Yahoo!マート by ASKUL」を本格展開すると発表している。これは出前館が提供している同名のフードデリバリーサービス「出前館」のアプリから利用できるもので、対象エリア内であればアスクルが販売する1500種類の日用品や食料品を注文でき、最短15分で配達してくれるという。
ちなみにYahoo!マート by ASKULは、もともと2021年7月より「PayPayダイレクト by ASKUL」として東京都内の一部で実証実験をしていたもの。1店舗当たりの注文数が2カ月で10倍以上に拡大するなど好調だったことから、ブランド名を変更して本格展開するに至ったようだ。
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