三井住友カードとSB C&Sは2021年12月16日、スマートタグ「Tile(タイル)」の機能をクレジットカードに搭載した「三井住友カード Tile」を共同開発したと発表した。Tileをクレジットカードの薄さに収めた技術もさることながら、より注目されるのは米Apple(アップル)の参入で激震が走ったスマートタグ事業者の生き残り策だ。

SB C&Sと三井住友カードが共同開発した「三井住友カード Tile」。クレジットカードにスマートタグ「Tile」の機能を搭載したものになる
SB C&Sと三井住友カードが共同開発した「三井住友カード Tile」。クレジットカードにスマートタグ「Tile」の機能を搭載したものになる
(出所:SB C&S)
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薄いクレジットカードにTileの機能を凝縮

 スマートフォンとBluetoothで接続し、鍵や財布などに付けておくことで、位置を把握し落とし物や忘れ物の防止に役立つスマートタグ。これまで独立系のベンチャー企業を主体に市場が形成されてきたが、アップルが2021年4月に「AirTag(エアタグ)」でこの市場に参入し、市場環境が激変することとなった。

 その影響を大きく受けたのが、これまでスマートタグ「Tile」で人気を獲得し、世界的に主要なプレーヤーの米Tile(タイル)であろう。実際、同社は米国時間の2021年11月22日、家族の見守りサービスなどを提供する米Life360に買収されると発表、新たなパートナーの下で事業強化を推し進めることとなった。

 そのタイルを巡って最近、国内で面白い動きが起こっている。それはTileを国内で販売しているソフトバンク系のSB C&Sと、三井住友カードが「三井住友カード Tile」を共同開発したと発表したことだ。

 これはその名前の通り、クレジットカードにTileの機能を搭載したもの。クレジットカードと同じサイズと薄さに、Tileが持つBluetooth通信機能、ブザーを鳴らすためのボタンやスピーカー、充電式の電池を全て内蔵しており、通常のTileと同じ機能が利用できるのが大きなポイントとなっている。

 もちろんVISAブランドのクレジットカードとしての機能も備えている。ATMや券売機など、クレジットカードを吸い込むタイプの機械で利用できないという制約はあるものの、それを除けば通常のクレジットカードと同様の使い方が可能で、タッチ決済なども使えるとのこと。Tileとしての機能は保証期間が1年と、通常のクレジットカード部分の有効期限が5年であることを考えると短いように思えるが、通常のTileでは利用期間が1〜3年ということを考えると、このサイズにしては頑張ったほうだといえる。

電池を内蔵しており専用の充電器を用いての充電が必要だが、最長で半年程度持続するとのこと
電池を内蔵しており専用の充電器を用いての充電が必要だが、最長で半年程度持続するとのこと
(出所:SB C&S)
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