脱炭素に食糧問題、襲いかかる感染症……。人類の難題を乗り越えるためのテクノロジーが改めて注目されている。課題解決につながる技術を持つ企業にはESGマネーも流れ込み、既存プレーヤーをごぼう抜きして一気にゲームチェンジする可能性を秘める。かつての「技術立国」の面影も薄れつつある日本だが、企業や大学、研究所には底力が残っている。日本に埋もれる「化ける技術」を追った。(写真:Yagi Studio / Getty Images)
シリーズ
日本に埋もれる「化ける技術」

10回
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スタートアップはシリコンバレーではなく東南アジアへ行こう
エネルギーや素材、機械、バイオ――。深い知見に裏付けられたハードウエアで社会課題を解決するディープテックのスタートアップがイノベーションの起点になろうとしている。ディープテックを中心に国内100社弱、海外20社弱に総額約…
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日本の競争力復活へ「減点主義もうやめよう」 AGCの平井CEO
AGCはガラスや化学品などの既存事業と新規事業を両立させる「両利きの経営」を掲げている。同社の最高技術責任者(CTO)出身で物理学者を目指していたという平井良典・最高経営責任者(CEO)にAGCの戦略、企業と研究機関・大…
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おむつ材料から全樹脂電池まで 三洋化成のイノベーション経営
おむつの材料から、「空飛ぶ携帯基地局」向けの樹脂電池まで――。ユニークな素材を数多く手掛ける中堅化学の三洋化成工業。「界面制御」と呼ばれる技術を軸に、近年はスタートアップ企業との連携でイノベーションを生み出してきた。知名…
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「数学はムダじゃない」 水害に挑む東大発スタートアップ
東京大学発のスタートアップ企業、Arithmer(アリスマー)は独自のAI(人工知能)で浸水を予測し災害時に役立ててもらうシステムを開発する。数学者が目指す「社会に役立つ数学」とは。
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デジタル時代に輝く職人技 1000分の1ミリの精度で挑む水問題
ピカピカのイノベーションは何もデジタル技術だけとは限らない。最新の工作機械にベテラン職人の技能を吹き込めば世界の社会課題を解決する製品を生み出せる。最大95%節水できる水栓器具を開発、製造するDG TAKANOはその1社…
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海藻食べ尽くす厄介者をおいしい食材に 「ウニノミクス」の挑戦
大量発生したウニが海藻を食べ尽くすことなどによる「磯焼け」が、海水温の上昇といった環境問題を引き起こしている。しかも、このウニは取っても中身が詰まっておらず、商品にならないいわば海の厄介者。このウニを陸上で成長させ中身の…
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目指すは「空のデロリアン」 古着をバイオジェット燃料に
バイオジェット燃料の光明となりえる技術がある。バイオスタートアップのグリーン・アース・インスティテュート(GEI、東京・文京)の発酵技術だ。世界的な食糧問題への危機感が高まる中、古着やサトウキビの搾りかすなど食べられない…
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スペースXでISSへ 「ロボティクス梁山泊」が宇宙開発を変える
宇宙ロボット開発のスタートアップGITAI(ギタイ、東京・大田)には機械システムから情報工学まで多士済々が集う。8月には国際宇宙ステーション(ISS)に同社のロボットがお目見え。人に代わる船内作業の実証実験が始まる。世界…
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地球を救う「シン・メッキ」 水使用量10分の1の電子回路基板
エレファンテック(東京・中央)は製造で使う水の量や廃棄物、エネルギーを10分の1以下に減らした電子回路のプリント基板を手掛けるスタートアップだ。すでに量産にも入っているが、技術の肝の1つが温故知新のメッキ加工。インクジェ…
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ノーベル賞候補見捨てるな 新エネ流通変える「ジャングルジム」
Atomis(アトミス)は約25年前に発表されノーベル賞候補にもなった材料に目をつけて事業化に動く京都大発スタートアップだ。ジャングルジムのような構造の微細材料が水素など新エネルギーの流通を変えるかもしれない。
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小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明
「ピース・オブ・ケイク(a piece of cake)」は、英語のイディオムで、「ケーキの一片」、転じて「たや…
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徹底予測2021年 底打ちか奈落か
日本経済の節目の年として幕を開けた2020年は、誰もが予想できない最悪の1年となった。すべての始まりはコロナ禍だ…
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クルマ大転換 CASE時代の新秩序
総付加価値額が450兆円ともされる自動車産業の構造が変わり始めた。GAFAやEVスタートアップ、ソニーなどが新た…
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不屈の路程
話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
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菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
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1000年企業の肖像
日本は創業100年以上の企業が多くあり、世界一の長寿企業大国として知られる。その中には創業1000年を超えると伝…
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10 Questions
いま、世の中で起こっていること。誰もが知りたいと思っていること。でも、ちゃんと理解できていないこと。漠然と知って…
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河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学
上司と部下が、職場でいい人間関係を築けるかどうか。それは、日常のコミュニケーションにかかっている。このコラムでは…
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ファクトフルネス思考
「データを基に世界を正しく見る習慣」を紹介した書籍『ファクトフルネス』は、日本で90万部を超えるベストセラーとな…
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大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
日本の読者にとって欧州のニュースは遠い国々の出来事に映るかもしれない。しかし、少子高齢化や低成長に悩み、企業の新…
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グルメサイトという幻
食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ──。外食店探しに欠かせない存在となったグルメサイトの地位が揺らいでいる…
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フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
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ファストリ、異次元の経営
コロナ禍の混乱からいち早く抜け出したファーストリテイリング。破綻が相次ぐアパレル業界にあって、なぜユニクロだけが…
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テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
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