画一的な人材活用からの脱却を図る企業に焦点を当てる本連載。前回は、風土を変えようと人事評価制度の刷新に取り組んだ花王を紹介した(人事評価に「OKR」 花王が目指した社員の自立)。今回は、社員に自立を促すことで知られるスマイルズ(東京・目黒)の遠山正道社長に、社員と会社の関係の将来像を聞く。

遠山正道(とおやま・まさみち)氏
スマイルズ社長。1962年生まれ。85年に慶応義塾大学を卒業し、三菱商事入社。99年にスープ専門店「スープストックトーキョー」開店。2000年に三菱商事初の社内ベンチャー企業としてスマイルズを設立し、社長に就任。スープストックのほか、「giraffe」、「PASS THE BATON」「100本のスプーン」など様々な事業を展開する(写真:吉成大輔)

企業と社員との関係や個人の働き方は、今後どのようになっていくと考えていますか。

遠山正道社長(以下、遠山氏):これからは「従業員をたくさん抱えて終身雇用する」という企業が減っていき、プロジェクト化の時代になると思っています。

 プロジェクト化とは、例えば映画をつくるようなものです。その都度、監督や俳優、ヘアメークを集めて、作品が完成したら解散する。次は西部劇をつくるなら西部劇向けの監督や俳優を雇って……というように、ずっと同じ人たちを雇い続けるということはあり得ないわけです。

 仕事がプロジェクトベースになっていくと、たぶん社員は10%くらいになって、今まで正社員と呼ばれていた人の多くがフリーのサラリーマン契約になる。私はこれを「ソロリーマン」と呼んでいます。

 もちろん、今の社員がそのままソロリーマンに置き換わるという簡単な話ではありません。ちゃんと力を発揮できる人や選ばれた人しか、そうした契約は結べないわけです。社員がより「個人」として扱われる時代が来るとしたら、会社に対してどんな面白いプロジェクトを持ち込めるか、自分のネットワークを活用してどんなビジネスプランをたぐり寄せられるか、といったシーンを思い描く力やコミュニケーション能力が重要になってくるのだと思います。

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