画一的な人材活用からの脱却を図る企業に焦点を当てる本連載。前回は素材メーカーの東洋紡が始めた、クラウドファンディングを活用しながら新商品開発に挑んでもらう若手研修を紹介した(犬用ウエアにビジネスリュック 東洋紡の若手変えた「すごい研修」)。今回取り上げるのは、2018年に創業100周年を迎えたパナソニック。全社的に事業構造の改革に取り組む傍ら、「会社を変える」という意欲を持った社員に成長の場を与えようと動き出した。経験した社員が「想像以上に過酷だった」と振り返るパナソニックの“武者修行”に迫る。

 「過酷な状況に身を置きたいと考えていたが、想像以上だった」

 こう話すのは、パナソニックの家電部門と米ベンチャーキャピタルが共同出資するBeeEdge(東京・港)に出向する落合章浩主務。18年10月から1年間にわたって挑んだ“武者修行”をこう振り返る。

パナソニックからBeeEdgeに出向中の落合章浩主務

 落合氏が活用したのは、パナソニックが18年に始めた「社外留職」と呼ぶ制度だ。本業を離れて約1年間、外部のスタートアップに出向できる。

 パナソニックにとっての制度の狙いは、風土や価値観が異なるスタートアップでの業務を通じて、社員に新たな知見や経験を身に付けてもらうこと。それをパナソニックのイノベーション創出につなげたいと考えた。提携するローンディール(東京・港)の「レンタル移籍」サービスを活用して出向先のスタートアップを選択する。

 18年10月に同制度の1期生として出向した落合氏は当時、リチウムイオン電池の開発部門に所属していた。「技術革新が生まれにくいことに悩んでいたタイミングで募集が始まり、迷うことなく手を挙げた」(落合氏)という。

知識も、コミュニケーションも……

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