少子化に拍車がかかり「無子化社会」が到来するのは、遠い将来の話ではない。既に日本の様々な場所で、子供が少ないどころか見かけないエリアが確認可能だ。過疎地でもないのに「無子化エリア」が出現する場所には共通する条件がいくつかある。

 共働き世帯の増加に伴う職住近接志向の高まりや、大規模金融緩和によるカネ余りを受けて急ピッチで再開発が進む東京都心部。以前は不人気だったエリアが「住みたい街ランキング」で急上昇するケースが増えている。東京東部のエリアもその一つだ。

 新しい高層マンションが次々に建設され、シネマコンプレックスの入った大型ショッピングモールと緑豊かな公園が整備されている。エリア内を通過する鉄道の駅前は多くの子供連れ客でにぎわい、日本の少子化を忘れさせる光景を見ることができる。

 だがそんな新興エリアの中に、子供をほとんど見かけないA地区がある。最寄りの駅から歩いてもすれ違うのは高齢者ばかり。「自分にも子供がいてまもなく1歳ですが、なんとか小学生になる頃までには引っ越したい」。この地区に住む30代の男性会社員はこう打ち明ける。男性がこの地区に暮らすのは周辺地域に比べ家賃が安いからだ。安い理由について男性は「例の事件による風評被害が今でも続いているから」と話す。

子供をほとんど見かけない「無子化エリア」が東京都心にも現れ始めている

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この記事はシリーズ「無子化社会「恋愛停止国家」の未来」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。