コロナ禍で「恋愛停止」が進めば、その影響は一部観光施設の不振だけでは済まない。恋愛人口と強い相関関係を持つ市場にも大きな影響を与える。アパレルや外食産業の低迷は、コロナ禍での外出制限や消費減退だけが原因とは言えない。

 多くの人は経験上、恋愛すると消費マインドが高まることを知っている。だが具体的にどんな支出がどの程度増えるかは曖昧だ。デートの外食代から身に着けるアクセサリー代まで、何にお金をかけるかは性別や年齢、性格により様々で、すべての人に共通する法則や方程式などないと思う人もいるに違いない。

 だが「少なくともファッションと恋愛については、統計的に有意な相関関係が確認できる」と指摘する専門家がいる。駿河台大学の渡辺裕子教授だ。

渡辺氏によると、恋人がいる、または恋人が欲しい人ほどファッションへの関心が高い(写真:Shutterstock)

 その主張の基となるのは2016年に渡辺氏が大学生172人に実施した調査。調査では、学生を「恋人が(いないが)欲しくない」「恋人が(いないが)欲しい」「恋人がいる」の3つに分類。そのうえで各セグメントのファッションに対する“積極性”“消極性”を調べた。すると例えば男性の場合、「欲しくない組」では12%しかオシャレに高い関心を示さなかった(調査では「態度高」と表現)のに対し、「欲しい組」は40%が、「いる組」は55%がファッションに強い興味を示した。

 女性も同様で、恋愛が身近になるにつれて、ファッションに積極的な比率は33%→40%→75%と上昇。さらに男性に限ると、逆にオシャレに無関心な比率(態度低)も、恋愛から距離を置くにつれて13%→24%→46%と高くなった。

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