東京五輪を延期に追い込み、飲食業や観光業に壊滅的打撃を与えたコロナ禍。だが、感染症まん延による災厄はそれだけでは収まらない。むしろ今後長期にわたり懸念されるのは「少子化の早送り」だ。背景にあるのは、人との接触が制限されるコロナ禍で進む社会全体の「恋愛停止」。婚姻や出産の前提ともいえる活動が滞れば、少子化は間違いなく一段と加速する。子供が少ないどころか、もはや周囲に見当たらない――。そんな「無子化社会」の到来を前に、企業と個人がすべきことを考える。(写真:Shutterstock)
シリーズ
無子化社会「恋愛停止国家」の未来

全6回
-
コロナ禍で進む恋愛停止 西伊豆・恋人岬「愛の鐘」はもう鳴らない?
人と人との接触が制限されるコロナ禍の中、社会全体で恋愛活動が停滞しつつある。デートスポットに閑古鳥が鳴くのは、緊急事態宣言に伴う外出制限だけが理由ではない。
-
昔『SAY YES』今『うっせぇわ』 「恋愛ソング」逆風説
コロナ禍で「恋愛停止」が進めば、影響は一部観光施設の不振だけでは済まない。恋愛人口と強い相関関係を持つ市場にも大きな影響を与える。アパレルや外食産業の低迷は、コロナ禍での外出制限や消費減退だけが原因とは言えない。
-
2021年ベビーショック到来 日本の少子化「18年早送り」の戦慄
コロナ禍に伴う恋愛停止が日本経済にもたらす最大の災いは「少子化の急加速」だ。専門家からは「コロナ禍で日本の少子化は18年早送りされた」との試算も出始めた。少子化どころか、子供が周囲に見当たらない「無子化社会」の到来が迫り…
-
過疎とはまったく無縁 「無子化エリア」4つの出現条件
少子化に拍車がかかり「無子化社会」が到来するのは、遠い将来の話ではない。既に日本の様々な場所で、子供が少ないどころか見かけないエリアが確認可能だ。過疎地でもないのに「無子化エリア」が出現する場所には共通する条件がいくつか…
-
日本有数の国際エリア「いちょう団地」はもはや日本ではないか
無子化時代が訪れれば、社会の国際化・機械化・孤立化が一段と進む可能性が高い。既に日本の中には一足早く、国際化や機械化の波に洗われているエリアもある。そんな地域の実情をヒントに、新たな環境で生きるため個人と企業がすべきこと…
-
まさに「限界突破集落」 五島列島の秘境から無子化社会への提言
究極の人口減少社会になれば、地方を中心に「孤立化」して暮らす人も増える。だが既に日本には、企業や国にほとんど頼らず自立して生きている人も少なくない。限界集落ならぬ「限界突破集落」に暮らす人々にそのための知恵を学ぶ。
WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
おすすめのシリーズ
-
小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明
「ピース・オブ・ケイク(a piece of cake)」は、英語のイディオムで、「ケーキの一片」、転じて「たや…
-
徹底予測2021年 底打ちか奈落か
日本経済の節目の年として幕を開けた2020年は、誰もが予想できない最悪の1年となった。すべての始まりはコロナ禍だ…
-
クルマ大転換 CASE時代の新秩序
総付加価値額が450兆円ともされる自動車産業の構造が変わり始めた。GAFAやEVスタートアップ、ソニーなどが新た…
-
不屈の路程
話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
-
菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
-
1000年企業の肖像
日本は創業100年以上の企業が多くあり、世界一の長寿企業大国として知られる。その中には創業1000年を超えると伝…
-
10 Questions
いま、世の中で起こっていること。誰もが知りたいと思っていること。でも、ちゃんと理解できていないこと。漠然と知って…
-
河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学
上司と部下が、職場でいい人間関係を築けるかどうか。それは、日常のコミュニケーションにかかっている。このコラムでは…
-
ファクトフルネス思考
「データを基に世界を正しく見る習慣」を紹介した書籍『ファクトフルネス』は、日本で90万部を超えるベストセラーとな…
-
大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
日本の読者にとって欧州のニュースは遠い国々の出来事に映るかもしれない。しかし、少子高齢化や低成長に悩み、企業の新…
-
グルメサイトという幻
食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ──。外食店探しに欠かせない存在となったグルメサイトの地位が揺らいでいる…
-
フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
-
ファストリ、異次元の経営
コロナ禍の混乱からいち早く抜け出したファーストリテイリング。破綻が相次ぐアパレル業界にあって、なぜユニクロだけが…
-
テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
-
70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
全8回