ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が初めて撮影した「ディープフィールド」画像。初期宇宙の銀河が、手前の銀河団によって拡大されて写し出されている。(IMAGE BY NASA, ESA, CSA, AND STSCI)
ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が初めて撮影した「ディープフィールド」画像。初期宇宙の銀河が、手前の銀河団によって拡大されて写し出されている。(IMAGE BY NASA, ESA, CSA, AND STSCI)
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 NASAの最新の観測装置であるジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が、約160万キロの旅を経て、宇宙のフルカラー画像を初めて撮影した。そして7月12日、ジョー・バイデン米大統領が特別プレビューイベントで、そのうちの一枚を披露した。漆黒の宇宙空間で無数の銀河がきらめく画像だ。(参考記事:「ここがすごい!ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」

「この望遠鏡は、宇宙の歴史をのぞくための新しい窓です」とバイデン大統領は語った。「そして今日、その窓から差し込む最初の光を私たちは見ることになります」

 披露された画像は、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が初めて撮影したいわゆる「ディープフィールド」画像と呼ばれるものだ。宇宙の小さな一角をじっくり見つめ、薄暗い光を集め、非常に遠くの天体を浮かび上がらせる。赤外線で宇宙を観測するJWSTの目を通して見ると、そうした小さな一角にも、光り輝く銀河がひしめき合っていることがわかる。その一部は130億年以上前、まだ宇宙が赤ん坊だったころに存在したものだ。(参考記事:「史上最も遠い星を観測、129億光年先、桁違いの「エアレンデル」」

 NASA科学局副局長のトーマス・ザブーケン氏は「あの写真は、宇宙の景色をこれまでで最も奥深くまで写し出しています」と説明する。

 このほかにも、衝突する銀河、死にゆく星が最後に吐いた息、巨大な星のゆりかご、異世界のスペクトルなどの画像が公開された。

ギャラリー:ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の初画像、宇宙の奥深くを撮影 画像4点(写真クリックでギャラリーページへ)
ギャラリー:ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の初画像、宇宙の奥深くを撮影 画像4点(写真クリックでギャラリーページへ)
カリーナ星雲。山や谷に星がきらめく風景を連想させる。この画像は、近くの星形成領域NGC 3324の端を、NASAのジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が赤外線で捉えたもの。これまでは見えなかった星形成領域を初めて写し出した。(IMAGE BY NASA, ESA, CSA, AND STSCI)

 2021年12月25日に打ち上げられたジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、これまでで最も強力な宇宙望遠鏡だ。数十年前に構想が浮上したとき、科学者たちは宇宙の始まり、つまり、宇宙の暗闇から最初の星や銀河が現れたときまでさかのぼることができる望遠鏡を思い描いた。結果、総コストは1兆円を超えた。

 この望遠鏡は、赤外線で宇宙を見ることができる。望遠鏡から送られてきた画像データは、赤外線の波長に応じて着色されて公開される。(参考記事:「系外惑星の謎を解く宇宙望遠鏡、いよいよ打ち上げ」

 相次ぐ延期、組み立てミス、予算オーバー、望遠鏡の名前の由来となった人物を巡る論争など、さまざまな問題が起きたため、この望遠鏡の宇宙への旅はなかなか実現しなかった。しかし、ようやく出発し、目的地に到着すると、何百もの難しい工程から成る複雑な展開作業を見事に成功させた。直径約6.5メートルの鏡と多層構造の遮光板を広げ、機器を絶対零度近くまで冷やした。(参考記事:「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡、宇宙空間での機体展開に成功」

 そして今、最初の画像を目にしたことで、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡はうまくいっていることが明らかになった。これから20年にわたる運用は、驚きに満ちたものになるにちがいない。

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