
2021年上半期を総括し、日経トレンディ6月号ではあらゆる業界のヒット現象を分析しました。その中でも大きな変化が起きているのは、エンタメ。リアルイベントができず、苦しいときが続いていますが、その中でもヒットコンテンツは次々に誕生しています。その多くは、これまでの成功事例をもとに大手が仕掛けたものではなく、新潮流のトレンドを象徴しています。ひもといていくと、3つのキーワードが見えてきました。
1.「プロも初心者も仲間」
ゲームアプリで異例のヒット現象を見せた「ウマ娘 プリティーダービー」は、実際の競馬シーンをリアルに再現した異色のコンテンツです。競馬ファンをうならせる一方、美少女ゲーム、育成ゲームとしてごく一般の利用者からも支持を獲得。全く違う層を、それぞれの観点から惹きつけています。
音声チャットでの騙し合いの議論に醍醐味があるゲーム「Among Us」は、突拍子もない行動で場をかき乱す初心者が混じっているからこそ面白くなるという特徴があります。寝技もありの格闘技「RIZIN」は、KOで試合が決まることも多く、初めて見ても夢中になれます。
SFとして驚異的なヒットを飛ばした中国SFの『三体』は、スケール感が大きくエンタメ性が高いのがポイントです。間口は広く、しかしハマるとそこに深淵な世界が待っているものが多く揃いました。
2.昭和の再来
音楽分野では、2つのキーワードに注目。一つは、1970~80年代の日本のシティポップが世界中で今ブームとなっている「昭和の再来」です。
山下達郎や竹内まりや、大瀧詠一などに代表されるシティポップがリリース当時を知らない日本の若者に、そして世界的にもヒット。「新しい音楽」として逆にその価値が認められ、ブームにつながっています。
3.超緊張感
一方、新しくヒットの源泉となっているのは、YouTubeチャンネルの「THE FIRST TAKE」。アーティストが生歌を一発撮りする「超緊張感」がヒットの芽となり、新星スターを発見する場になっています。20年のNHK紅白歌合戦で「夜に駆ける」を披露したYOASOBIなどが躍進するきっかけにもなりました。
こうした新潮流のエンタメヒットがどのように生まれ、また、どのように広がったのか。ヒットメーカーに聞いた舞台裏を紹介します。
消費トレンド・ヒットを研究する月刊誌「日経トレンディ」2021年6月号の特集「エンタメブーム研究」「上半期ヒット大賞&ブレイク予測」からご紹介します。
有料会員限定記事を月3本まで閲覧できるなど、
有料会員の一部サービスを利用できます。
※こちらのページで日経ビジネス電子版の「有料会員」と「登録会員(無料)」の違いも紹介しています。
※有料登録手続きをしない限り、無料で一部サービスを利用し続けられます。
この記事はシリーズ「日経トレンディ発 なぜ流行る? エンタメブーム大研究」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?