シリーズ
上阪欣史のものづくりキングダム

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[新連載]日本製鉄、V字回復を成し遂げた橋本改革の真相
新日本製鉄と住友金属工業が合併し、日本製鉄(旧新日鉄住金)が誕生して10月で10年がたった。鉄鋼業界は苦境に立たされてきたが、ここにきて日鉄が鋼の収益体質を手に入れ生まれ変わった。変革の旗を掲げるのは2019年春に就任し…
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ペットボトルを再生する北関東の“石油王” ユニクロも認めた技術力
使用済みペットボトルから生まれる東レのリサイクル繊維「&+(アンドプラス)」の原料づくりを担うのは、ペットボトルリサイクルで国内最大手の協栄産業(栃木県小山市)だ。回収ペットボトルから新しいペットボトルを生み出すプロセス…
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東レが紡ぐ環境価値 回収ペットボトルから1000億円ブランド育む
東レが使用済みペットボトルから生産する高機能繊維「&+(アンドプラス)」。量産が始まってまだ3年だが、2026年3月期には売上高が1000億円の大台に乗る勢い。「サステナビリティー(持続可能性)」や「サーキュラーエコノミ…
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“発電所”新設でつかむ復活の糸口 NAS電池は再生エネ時代に輝くか
2000年代に「ためる、放流する」を自在に繰り返せる“新電源”として注目を集めたものの、原子力発電所再稼働の遅れなどにより、11年を境に需要が急減した日本ガイシの大容量蓄電池「NAS電池」。「このままではNAS電池は消え…
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モノ売りから電力事業者に変身した日本ガイシ NAS電池苦闘の10年
自ら機会を創り出し、その機会によって自らを変えよ――。リクルート創業者の故・江副浩正氏は、かつて社員らにこんなメッセージを残した。リクルートとは縁もゆかりもないが、この金言を地で行くような企業がある。日本ガイシだ。同社は…
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日鉄、巨額投資に猛進 インドの高炉新設が示す「グローバル3.0」
日本製鉄がインドで拡張投資に突き進んでいる。9月、欧州アルセロール・ミタルとの合弁会社を通じ高炉2基をはじめとする製鉄ライン新設に7300億円を投じると発表。2022年は大型投資だけで計5000億円弱の投資を表明している…
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原発サプライチェーン復興へ一歩 三菱重工主導の新型炉開発
三菱重工業と関西電力など電力会社4社は安全性を高めた次世代型の原子力発電所を共同開発すると発表した。原発の新増設に後ろ向きだった政府の方針転換を受けた動きで、2011年の福島第1原発事故後の逆風を耐え忍んできた原発サプラ…
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[スクープ]三菱重工と電力4社、次世代原発を開発 脱炭素へ選択肢
三菱重工業と関西電力など電力会社4社が、次世代の原子力発電所を共同開発することが、日経ビジネスの取材で分かった。現行の加圧水型軽水炉(PWR)と呼ばれるプラントに比べ安全性を高め、2030年代半ばの完工を目指す。脱炭素を…
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日鉄、電炉でモーター用電磁鋼板 「脱炭素鋼材」販売の先兵に
日本製鉄が二酸化炭素(CO2)排出ゼロを証明した鉄鋼製品の販売に乗り出す。同社が鋼材の製造工程で削減したCO2を総量で算定、減らした分を販売品目に割り当てて「脱炭素鋼材」として顧客に買ってもらう。この鋼材販売を実現させ…
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次世代半導体材料の本命、窒化ガリウム 特許世界一の日本勢の実力
通信機器の電力制御などに使う次世代パワー半導体材料の本命として注目を浴びる窒化ガリウム(ガリウムナイトライド、GaN)。現在主流のシリコンより格段に高い省エネ性能を持つ「脱炭素時代の申し子」だ。関連特許の出願数は日本企業…
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初潜入 SUMCO半導体ウエハー工場で見た「アナログ×デジタル」
日本企業2社で約6割の世界シェアを誇る半導体の母材、シリコンウエハー。その1社、SUMCOの旗艦拠点、伊万里工場(佐賀県伊万里市)に、日経ビジネスがメディアとして初めて入ることを許された。現場では他社がマネできないアナロ…
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原発の難題、放射性廃棄物 「裏方」再処理担う三菱重工社員の思い
脱炭素やエネルギー安全保障強化の流れを背景に、再び注目を集める原子力発電事業。その負の産物である放射性廃棄物を減らすための再処理工場が9月をめどに青森県六ケ所村に完成する。国内初の再処理プラントづくりの幹事会社を務めたの…
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水素も生み出す三菱重工の原子炉 新たな選択肢、経営資源どう配分
三菱重工業は「高温ガス炉」と呼ばれる次世代原子炉を使った水素の量産に乗り出すと発表した。原子炉で発電しながら、同時に原子炉から出る熱を活用して水蒸気などから水素を製造。将来は二酸化炭素(CO2)を排出しない「グリーン製鉄…
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12人抜きOKI新社長の突破力 傍流出身、保守的な企業風土にメス
取締役を経ず執行役員から12人抜きという異例の人事で4月1日にOKI社長に就いた森孝広氏(57)。傍流といえるプリンター事業を率い、市場シェア1ケタの弱小メーカーだったOKIに成長をもたらした。森氏は「弱者の戦略」にのっ…
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誰でも「デジタルものづくり」 始まった製造業のMaaS
製造業のMaaS(マニュファクチャリング・アズ・ア・サービス)に新星が現れた。HILLTOP(ヒルトップ、京都府宇治市)だ。かつてしがない自動車部品の下請け中小企業だったが、マスカスタマイゼーション(個別大量生産)に事業…
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工場DX待ったなし 国産の通信ソフト「オライン」を眠らせるな
ロボットや検査機器など異なるメーカーの生産装置を1つのソフトで統合し、簡単に一体運用できないか? こんな工場の課題を解決するオープンなソフト「ORiN(オライン)」の普及活動が始まって22年で20年になる。世界にも類まれ…
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ファナックも仰天 グローリーが釣銭機工場で発掘したロボットの鉱脈
ロボットを用いた生産効率化や省人化が引きも切らないニッポンの製造業にあって、ロボットとは無縁のグローリーが次々と工場に進出している。請け負うのはロボットを使った生産システムの構築だ。グローリーといえば釣銭機など貨幣処理機…
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原発が水素も量産 10年ぶりに再稼働した実証炉が秘める力
日本の官民が原子力発電とグリーン水素の製造を同時にやってのけるハイブリッドプラントの開発に臨んでいる。原子炉から熱を取り出し、主原料の水を化学反応させて水素を生む。高温ガス炉(HTGR)と呼ばれる次世代炉の1つだ。一体ど…
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TOTOにはない節水トイレのサブスク、戦う土俵を変えた世田谷企業
公共・商業施設のトイレをサブスクリプション(定額課金)方式で提供する一風変わった中堅企業がある。木村技研(東京・世田谷)。かつては一介の水道工事会社にすぎなかったが、独自の節水技術で名を上げた。今や名だたる公共交通機関や…
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COP26でも再注目の次世代原発 三菱重工若手技術者の胸の内
英国で開催中の国連の第26回気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)。各国が地球温暖化対策を打ち出す中、再生可能エネルギーの導入拡大が遅れる日本は目標達成に黄色信号がともる。そこで、議論が活発になっているのが原子力発電…