使用済みペットボトルから生まれる東レのリサイクル繊維「&+(アンドプラス)」の原料づくりを担うのは、ペットボトルリサイクルで国内最大手の協栄産業(栃木県小山市)だ。回収ペットボトルから新しいペットボトルを生み出すプロセスを日本で初めて確立するなど技術力は折り紙つき。使用済みプラスチックを資源に変える同社の工場は「都市油田」とも称され、資源を輸入に頼る日本にとって貴重な存在だ。その現場から報告する。
茨城県笠間市にある協栄産業子会社の処理場には、くしゃくしゃになったペットボトルの束を積んだトラックがひっきりなしにやってくる。ラベルがついたままのもの、飲み残しがこびりついたもの、砂混じりのもの――。
そうした千差万別の状態のペットボトルをより分け、洗浄し、粉々にしてフレーク状にする。轟音(ごうおん)をたてる巨大な機械群が24時間止まることなく稼働し、目にもとまらぬ速さで透明なペットボトルだけを選び出すコンベヤーラインは圧巻だ。1日当たり最大約40万本(500ミリリットルボトル換算)を処理できるという。



ボトル内に吸着した汚れを除去する洗浄工程を、協栄産業の古澤栄一社長は「あかすり」に例える。
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