東レが使用済みペットボトルから生産する高機能繊維「&+(アンドプラス)」。量産が始まってまだ3年だが、2026年3月期には売上収益(売上高に相当)が1000億円の大台に乗る勢い。「サステナビリティー(持続可能性)」や「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」といった環境価値を重視する顧客企業のほか、最終製品を使う消費者も引き付けるマーケティングにも力を入れ、世界展開をうかがう。
樹脂製品のリサイクルを手掛ける協栄産業(栃木県小山市)の本社工場。まるで手延べそうめんを作るかのように、乳白色のひも状の樹脂が40本ほど連なって押し出される。その先の機械では、寸分の狂いもなく縦・横3ミリメートル、厚さ2ミリメートルの直方体のペレットにカットされる。


ペレットがぎっしり詰まった袋が向かう先は、主要取引先である東レの愛媛工場(愛媛県松前町)や石川工場(石川県能美市)、タイの工場だ。ペレットはそこで高機能ポリエステル繊維に生まれ変わる。このペレット、出どころをたどればもとは使用済みペットボトルだ。

消費者に会社の価値を知ってほしい
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