離島防衛の要の一つである長距離弾道ミサイルの研究開発を巡り異変が起きた。配備されれば射程2000kmという自衛隊保有のミサイルでは最長距離となる対艦誘導弾を試作していた川崎重工業が突如、防衛装備庁から事業の打ち切りを言い渡された。技術優位性とコスト競争力が評価され三菱重工業との競争入札で勝ち取ったプロジェクトだが、今後、開発は三菱重工に委ねられるとみられる。「台湾有事」が日本の海域にも飛び火する懸念が高まる中、防衛能力の高い装備品調達は不可欠。不可解な「川重外し」に装備庁の説明責任が求められそうだ。

 「前倒しで配備したいという『市ヶ谷』の考えは分かるが、確実に敵の艦艇をたたくには川重の技術に軍配が上がる。なぜ、開発中止に追い込まれたのか分からない」。ある防衛関係者はこういぶかる。市ヶ谷とは防衛省および防衛装備庁が官舎を構える東京・市ヶ谷のことだ。一体何が起きたのか。

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