二酸化炭素(CO2)をエネルギーや化学品に転換して再利用する動きが広がっている。微生物の力で二酸化炭素や一酸化炭素(CO)などを発酵させ、エタノールに変える技術を持つ米ランザテック(イリノイ州)は、製鉄所に続き合金鉄工場でもリサイクルを始める。旭化成はCO2から化学品を生成する過程で電池材料を取り出す技術を開発。量産化にアクセルを踏む。風雲急を告げる脱炭素の動きだが、一朝一夕に炭素利用をやめるのは難しい。各社は温暖化の元凶とされるCO2を「有価物」に変える新技術を通してカーボンニュートラルをアシストする。

 中国北部の河北省。中国の鉄鋼大手、首都鋼鉄集団の京唐製鉄所には一風変わったプラントが併設されている。製鉄所から排出されるCO2やCOなどを発酵させ、エタノールに変えるという代物だ。

 開発したのは三井物産や独化学大手BASFなどが出資するエネルギースタートアップのランザテック。微生物を用いて排ガスから燃料や化学品を製造する「唯一無二の技術」(ランザテック)を持つ。

ランザテックの発酵技術を活用した初の中国エタノール製造設備(写真提供:LanzaTech)
ランザテックの発酵技術を活用した初の中国エタノール製造設備(写真提供:LanzaTech)

 悪玉をお宝に化けさせる仕組みはこうだ。

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