JSRがタイヤ用ゴムを主力とするエラストマー(合成ゴム)事業に終止符を打つ。このほどENEOSに事業を売却すると発表した。売却額は1000億円規模の見通し。タイヤ用合成ゴムを巡っては住友化学と日本ゼオンも事業統合するなど合従連衡が進んでいるが、順調に事業を進めているのが世界シェア首位の旭化成だ。電気自動車(EV)など次世代車のタイヤに求められる技術を的確に捉え、中韓勢との競争にさらされながらも一人旅を続けている。

 エラストマーはJSRの祖業で1957年に官民出資で発足した。足元では売上高の3割を占める。代表的な材料は低燃費タイヤ向けの「S-SBR(溶液重合スチレン・ブタジエンゴム)」と呼ばれる合成ゴム。タイヤの接地面(トレッド)に使われる。

 だが、エラストマー事業は2021年3月期まで2期連続の営業赤字で、前期は772億円の減損損失を計上した。「選択と集中」を経営の信条とするエリック・ジョンソン最高経営責任者(CEO)が、聖域なく事業を見直す一環で売却に踏み切った。

JSRの祖業はタイヤ向け合成ゴムなどのエラストマー事業(写真:PIXTA)

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