ハンガリーが自動車産業の集積地として存在感を高めている。このほど繊維大手のセーレンが自動車用シート材の現地生産を発表したほか、近年は電気自動車(EV)用の電池や材料メーカーが続々と拠点を構えている。自動車業界の呼び水となっているのは、ハンガリー政府の大胆な誘致策と電光石火のスピード“営業”だ。

4月半ば、都内のハンガリー大使館。セーレンの川田達男会長兼最高経営責任者(CEO)と駐日ハンガリー特命全権大使のパラノビチ・ノルバート氏は、握手の代わりに肘を突き合わせて同社の現地法人設立をアピールした。
セーレンは自動車のシートなどに使う合成皮革の工場をハンガリー南部のペーチに建設する。投資額は約55億円で2022年に生産を始める計画だ。
同社は合成皮革など自動車シート表皮材の世界最大手で、繊維系の車両資材が売上高の6割を占める。合成皮革の新素材「クオーレ」は多くの国内自動車大手が採用する看板商品だ。
自動車業界では最近、EVや水素燃料電池車の話題で持ちきりだが、最大の課題は航続距離をいかに延ばすか。当然、部品一点から見直しが入り内装材にも軽量化の徹底が求められている。
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