日本電産に引けを取らないM&A(合併・買収)巧者が金属業界にいる。非鉄金属商社で東証プライム上場のアルコニックスだ。商社といっても近年は金属加工のビジネスに軸足を置き、M&Aを成長エンジンとしている。製造業では腕に覚えのある加工会社など、22年までの13年間で14社を完全子会社化したが、買収に伴う減損損失の計上は一度もなく、全体としても利益成長を果たしている。そのユニークなM&A術と買収先のガバナンス(統治)手法には目を見張るものがある。
愛知県豊橋市の平野部に位置するアルミ加工メーカー、大羽精研の本社工場。現場では高級機種として知られる松浦機械製作所の5軸マシニングセンターがずらりと並び、24時間休むことなくフル稼働している。
切削加工するのは、電子部品をプリント基板に実装する「チップマウンター」の基幹駆動ユニットの部品。アルミの塊を削り出すが、精度誤差は2~3マイクロ(マイクロは100万分の1)メートル。部品だけでなく駆動ユニットも組み立てている。供給先はチップマウンターでパナソニックホールディングスなどと並び世界3強の一角を占めるFUJIだ。
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