Focus 20
三田敬大のマーケット目線で読む世界

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迫るスタグフレーションの足音 コスト増の転嫁、業界により明暗も
資源高や供給制約を背景に企業の調達コストが上昇している。企業間で取引する物価の動向を示す企業物価指数はオイルショック以来の高水準が続く。川下への価格転嫁が進まなければ企業収益の足かせになる一方、最終製品への転嫁が進んでも…
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四半期開示、目標は達成できず 「見直しは新しい資本主義に合致」
反対論の根強い四半期開示の見直しは、果たして正確なデータに基づいて判断できているのか。早稲田大学のスズキ・トモ教授は「欧州企業では効率的な資源配分の結果、既に減少が進んだのが実態」だと指摘する。
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日銀、「指し値オペ」が呼び込む円安 くすぶる政策修正の思惑
日銀が大規模な金融緩和政策の修正に動くかもしれない――。こんな思惑が改めて強まっている。手掛かりはドル円相場、物価上昇圧力の高まり、日銀の政策決定ポストの顔ぶれ、の3点にある。
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ウクライナ危機下でも株価上昇 市場から探る「逆境に強い会社」
ロシアのウクライナ侵攻は、欧米や日本など主要国が大規模な経済制裁に乗り出したことで、世界経済に大ダメージ必至の事態となった。そんな先行き不透明ななかでも、株式市場では投資家が期待する逆行高銘柄が存在する。
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ウクライナ危機発「第3次オイルショック」 今後のシナリオは?
ロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに商品市況が乱高下している。特に原油価格(北海ブレント先物価格)は3月上旬に一時約14年ぶりの水準まで高騰した。企業向けに価格リスクのコンサルティングを手掛けるマーケット・リスク・アド…
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ソフトバンク孫氏、嵐の中の強気 ユニコーン「押し目買い」へ次の手
孫正義氏率いるソフトバンクグループを株安という「冬の嵐」が襲っている。2月8日の決算説明会では3カ月前に比べ財務の健全性に目配りする姿勢が強くにじんだものの、「入り口が安くなるのは悪いことではない」と、これまでと変わらな…
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日銀、再び円相場の波乱要素に くすぶる緩和縮小の思惑
日銀の挙動がドル円相場の波乱要素になる可能性が出てきた。黒田東彦総裁は「大規模緩和の継続」姿勢を崩さないが、足元で徐々に高まる国内の物価上昇や米国で進む金融緩和縮小を背景に、「次は日銀の番」との思惑が出やすくなっている。
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郵便局に両極端な「無人コンビニ」 日本郵政とファミマ、思惑一致
日本郵政が郵便局の集客力向上に向け、ファミリーマートの無人店舗を設置する実験を始めた。日用品を扱うコンビニ機能を取り込むことで、郵便や金融だけでなく、買い物需要にも応え存在意義を高める狙いだ。
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日本郵政、政府保有株の大量売却でも株価が大崩れしないワケ
日本郵政の大株主である政府が10月6日、保有する日本郵政株の一部売却を決めた。対象は発行済み株式総数の27%に上るが、株価は崩れていない。なぜなのか。
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資源高に人手不足も 市場がおびえる「スタグフレーション」の影
世界的に株価が軟調だ。世界的に「悪いインフレ」=「スタグフレーション」に陥るのではとの懸念が浮上しているためだ。原油やLNG、石炭といった資源価格が急騰しているほか、人手不足で人件費もコスト増要因になりつつある。ほんの1…
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ソフトバンクGが狙う中南米スタートアップ けん引役は「米留学組」
ソフトバンクグループ(SBG)が中南米(ラテンアメリカ地域)の未上場企業への投資を加速する。背景にあるのは米国のスタートアップブームの中南米への波及だ。代表的なユニコーン企業の創業者の多くは米国への留学経験者で、人材と資…
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「株しか買えない」最高値 指標悪化、地政学リスクものともせず
新型コロナウイルスの感染再拡大やアフガン情勢といった逆風をものともせず、世界的に株価が堅調だ。経済指標悪化や日本での首相交代といった評価が分かれるイベントを、金融市場はいいとこ取りで解釈している。行き場を失ったマネーが消…
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出遅れ日本株に3つの足かせ 起爆剤は総選挙?
世界の株式市場のなかで日本株が出遅れている。国内でのコロナ再拡大、世界経済ピークアウト、米IT大手への資金集中、が主な背景だ。足元で発表が本格化した4~6月期決算でも流れを変えるには至っていない。補正予算や総選挙など、「…
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日銀、見切り発車の気候変動対策
日銀は年内にも、金融政策として気候変動対策に乗り出す。ただ、何が気候変動に役立つ投融資かを判断するのは難しく、民間金融機関の判断に委ねる枠組みだ。長期目線でマクロ経済のリスクを下げるのが狙いだが、国際的な結論が出ていない…
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停滞ソフトバンクグループ株、中国個人データ規制の影
ソフトバンクグループの株価の上値が重い。背景にあるのは中国配車アプリ大手、滴滴出行(ディディ)などIT大手に中国当局が規制を強化したことだ。
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トヨタ株1万円越え、上場来高値の裏にテスラの敵失?
トヨタ自動車の株価が一時1万円を越え、上場来高値を更新した。株高の背景には、業績の回復やEVシフトへの期待に加え、テスラ株のつまずきもありそうだ。
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過去最低の取引量で「動かない円」、トヨタなど輸出企業には追い風
ドル円相場の取引が低迷している。ワクチン接種が欧米に比べ遅れ、円を取引するきっかけに乏しいのが1つの理由だ。ただ、輸出企業の業績には追い風。トヨタ自動車の株価も押し上げる。
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ソフトバンクGが起用「孫ちゃん」と呼ぶコーエーテクモ会長の巧み
ソフトバンクグループが新たな社外取締役候補として、ゲーム開発のコーエーテクモホールディングスの襟川恵子会長を挙げた。両社には実は「投資家」という共通点がある。新たな「軍師」の登場だ。
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任天堂が損害賠償請求額「倍増」、対コロプラ訴訟に透ける深謀遠慮
任天堂が、コロプラに対する損害賠償請求額を倍増した。特許権侵害でコロプラのスマートフォン向けゲームの提供差し止めと損害賠償を求める。市場では「任天堂経済圏の防衛が狙いか」との声が出始めた。
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利益4兆円の原動力、気になるソフトバンクの投資先
起業家、孫正義氏が率いるソフトバンクグループ(SBG)が、2021年3月期に日本企業として史上最大の純利益4兆円強を稼ぎ出すとの観測が急速に高まっている。原動力は未公開企業への投資事業だ。投資先の上場によって収穫期を迎え…