世界経済のテールリスクとして、インフレが沈静化しない可能性について警戒されているとのことですが。

河野龍太郎(こうの・りゅうたろう)
河野龍太郎(こうの・りゅうたろう)
BNPパリバ証券経済調査本部長チーフエコノミスト。1987年横浜国立大学経済学部卒業。住友銀行(現三井住友銀行)を経て89年に大和投資顧問(現三井住友DSアセットマネジメント)、97年に第一生命経済研究所。2000年から現職。(写真:住友一俊)

河野龍太郎・BNPパリバ証券チーフエコノミスト(以下、河野氏):(今起きているインフレが)財政インフレなのではないか、ということです。財政への信認低下が原因でインフレや金利上昇が起きているのだとすれば、金融政策を引き締めても、インフレが沈静化しない可能性があります。例えば米国は高いインフレ率が継続していることで、高いインフレ期待が長引くリスクもあります。

 長く続いたゼロ金利時代に財政規律がすっかり弛緩(しかん)した現代民主主義社会の下では、市場の暴力的な歯止めなしには、拡張財政を抑えることが難しいのかもしれない。主要各国は、財政拡張+金融引き締め、という役割分担路線をとっていますが、財政拡張はインフレ圧力と金利上昇圧力を高めます。結果、日本では円安を通じて輸入物価上昇が続くでしょう。今後も輸入物価上昇による悪影響を拡張財政で吸収しようとすれば、いずれ財政膨張そのものが国内インフレや円安の要因となりかねません。つまり、(財政拡張方針をきっかけに国債や通貨が急激に売り込まれた)英国の例を他山の石とすることができるか、が問われているのです。

そもそも日本経済が停滞している背景には何があるのでしょうか。

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