ソフトバンクグループ(SBG)が中南米(ラテンアメリカ地域)の未上場企業への投資を加速している。背景にあるのは米国のスタートアップブームの中南米への波及だ。代表的なユニコーン企業(評価額10億ドル以上の未上場企業)のヌーバンク(ブラジル、フィンテック)やラッピ(コロンビア、宅配など)はいずれも創業者が米国への留学を経験したうえで立ち上げたスタートアップ。人材と資金の好循環が生まれつつある流れを、SBGは捉えようとしている。インフラやビジネス基盤が未整備で、ウェブサービスの活躍の余地も大きいことも重要だ。

 SBGは9月14日、ラテンアメリカ地域のテクノロジー企業に投資するファンドの第2号を設立し、30億ドルの投資枠を設けたと発表。2019年に発表した1号ファンド(投資枠50億ドル規模)の運用成績が好調なため、投資枠を追加する。今後、2号ファンドの投資枠が30億ドルから増える可能性もある。

 日本にも一部サービスが進出していたり、提携・出資などを通じて日本企業ともつながりがあったりする米国や中国、東南アジアのスタートアップと比べ、中南米のプレーヤーは日本ではほとんど知られていない。では、どんな企業があるのか。

 例えばラッピ(Rappi)のアプリはウーバーイーツのような料理の宅配に加え、食品スーパーや薬局、家電など、あらゆる店舗の商品を注文できる。モノだけでなく、車の清掃や家電の修理、ペットの散歩などまで頼める。旅行やゲーム、決済サービスも手掛けており、いわゆる「スーパーアプリ」を目指している。コロンビアだけでなく、ブラジルやメキシコなど中南米の複数国に進出済みだ。CBインサイツによると、企業価値は35億ドルに上る。

コロンビアを中心に料理の宅配などを手掛けるラッピ(Rappi)(写真:ロイター/アフロ)
コロンビアを中心に料理の宅配などを手掛けるラッピ(Rappi)(写真:ロイター/アフロ)

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