円の対ドル相場が乱高下している。7月14日には一時、24年ぶりの円安水準である1ドル=139円台をつけたが、その後は1カ月も経たないうちに一時130円台まで円高方向に振れた。シティグループ証券でチーフFXストラテジストを務める高島修氏は、139円台で当面の円安のピークを越えた可能性が高いと指摘する。

高島修[たかしま・おさむ]
高島修[たかしま・おさむ]
1992年三菱銀行(現、三菱UFJ銀行)入行。99年から為替資金部で欧州や米国を担当するアナリストや通貨オプションセールスを経験し、2004年チーフアナリスト。2010年シティバンク銀行、2013年シティグループ証券。

 ―ドル円相場は7月14日に24年ぶりの139円台を付けましたが、8月2日には1ドル=130円台まで上昇(ドルは下落)しました。値動きが激しくなっていますが、今年に入って大きく進んだ円安は終わるのでしょうか。

シティグループ証券の高島修チーフFXストラテジスト(以下、高島氏):ドル円相場の円安は、7月の139円でいったん底を打ったと考えています。目先2~3ヶ月くらいの期間で言えば130~137円くらい、年末までの期間で言えば127~137円くらいの値幅で動くイメージではないでしょうか。

 底流として、米連邦準備理事会(FRB)の利上げによる金融引き締めが徐々に効き始め、景気や資源価格のピークアウトが始まりつつあるからです。資源価格が一服してインフレの勢いが弱まれば米金利の上昇も鈍ります。6月に3.5%に近づいた米長期金利は足元で2.7%台に下がってきました。日米金利差の拡大が円売りにつながりやすい円相場でも、米金利上昇の勢いが弱まれば、金利差の拡大も鈍り、円売りを手掛けてきたプレーヤーも反対売買の円買いに傾きやすくなります。

 日本から見た貿易収支の面でも、原油など資源価格の購入のための円売りドル買いが弱まることになります。実際、原油価格(北海ブレント先物ベース)は6月の1バレル=120ドル台から90ドル台まで下落してきました。

 特に、139円から130円までの円高(円安の修正)には、日銀の政策運営姿勢も関係しているとみています。139円までの円安の過程では、日銀がイールドカーブ・コントロール政策(YCC)の修正に動くとみたヘッジファンドなどが「日本国債(JGB)売り」と「円売り(円ショート)」の両方のポジションをもっていて、それが、7月の日銀の緩和維持の姿勢によって買い戻しを迫られた可能性もあります。

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