日本株の出遅れが続いている。米ダウ工業株30種平均や独DAXなど欧米の株価指数が最高値圏を更新する一方で、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)の上値が重い。主因は、国内でのコロナ再拡大、世界経済ピークアウト、米金融政策正常化織り込みの一巡──の3つだ。足元で発表が本格化した4~6月期決算でも流れを変えるには至っていない。秋にも想定される補正予算や総選挙など、「政治待ち」のムードも漂い始めた。
7月29日の日経平均は2万7782円と前日比1%上昇した。気になるのは水準だ。日経平均は2月こそ3万467円の高値を付けたが、その後は下落し年初の水準に逆戻りしてしまった。ダウ平均が足元で3万5000ドル前後と、年初から2割近く上昇しているのとは対照的だ。日本株の上値の重さが際立っている。

ここ数カ月ほどの日本株の弱さについて野村証券の池田雄之輔チーフ・エクイティ・ストラテジストは、「局面を分けて考える必要がある」と指摘する。
どういうことか。まず前半は3~5月ごろだ。欧米ではワクチンの普及で新型コロナの新規感染が急速に縮小していたのに対し、国内ではじわじわと増加していた。日本企業の経済活動全般への制約が意識されたことで、「わざわざ日本株を買う理由が薄れた」(池田氏)という。
あえて日本株買う動機薄く
実はグローバルに展開する投資家にとって、日本株は欧州株と似た位置づけにある。資本財(工作機械など)や関連サービス、素材やエネルギーなどの割合が比較的高く、世界景気の影響を受けやすい特徴がある。似た値動きをするのなら、より先行き不安の少ない欧州株が選ばれる、というわけだ。
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